東証マザーズは五里霧中、流動性枯渇継続、中長期弱気シグナル発生を警戒

ドル/円相場が1ドル=99円台に突入しても、日銀砲の効果で日経平均は16500円アラウンドで底堅い動きを続けています。一方、日銀砲のメリットを享受できない東証マザーズ市場は物色の蚊帳の外に置かれています。それを顕著に示しているのが、売買代金です。マザーズ指数が年初来高値1230.82ポイントを付けた4月21日の売買代金は2696億円でした。ちなみに、前日の20日は3321億円でした。これが8月19日は657億円に過ぎません。8月19日の売買代金は直近ピークのわずか19.78%と、5分の1の水準を割り込んでいるのです。

 

なお、最近の売買代金は7月20日に1000億円を割れた後、8月15日に18営業日連続で1000億円を下回り、16日に1039億円と一時1000億円を回復したものの、17日から19日まで3営業日連続で再び1000億円を大きく下回っています。つまり、売買代金の低迷、流動性枯渇は恒常化し、継続しています。

 

なお、16日に1000億円を回復した主因は、「Cyberdyneサイバーダインは世界で最も途方もなく低価な株券です。日本の投資家の方に細心の注意をはらうことをお勧めします ターゲットプライス:300円 — 85%ダウンサイド」と題した、空売りを専門とする米調査会社シトロン・リサーチの15日付けレポートを受け、CYBERDYNE(7779)が商いを伴って急落したことが大きく影響したと思います。同社株の15日の出来高は765900株、翌16日のそれは7804700株です。実に10倍に膨らみました。ただし、株価は15日終値は2077円に対し16日は前日比142円(6.84%)安の1935円で、一時は225円(10.83%)の1852円まで下落する場面がありました。ですから、16日のマザーズの売買代金増加はあまり、質のいいものではありません。

 

マザーズ指数の19日終値は913.47ポイントと、900ポイント付近で、薄商いの中、方向感なく動いていますが、中長期のテクニカル的には正念場です。なぜなら、中長期的な弱気のシグナルが発生することを警戒しているからです。

 

まず、短期的には、マザーズ指数は5日移動平均線(19日現在929.27ポイント)、25日移動平均線(同929.10ポイント)、75日移動平均線(同1023.48ポイント)を全て下回っています。また、日足ベースの一目均衡表では、雲下抜け、遅行スパンの逆転、基準線と転換線の逆転の「3役逆転」状態です。

 

次に、中期的には、13週移動平均線(同983.92ポイント)、26週移動平均線(同1013.6ポイント)を下回っているとはいえ、52週移動平均線(同911.45ポイント)には辛うじてサポートされています。しかしながら、週足ベースの一目均衡表では、既に、基準線と転換線の逆転は実現し、このままのレベルで推移すると遅行スパンの逆転も実現します。なお、MACD(12週-26週)は-8.46、シグナル(9週)は15.44と、MACDがシグナルを下回る状態が継続し、現状中期的な底打ちの兆しはみえません。

 

そして、長期的には、19日は若干割り込んでいるとはいえ、現在は24ヶ月移動平均線(同921.16ポイント)の攻防中です。9ヶ月移動平均線(同966.38ポイント)は下回っているものの、60ヶ月移動平均線(同734.38ポイント)は上回っています。今後、24ヶ月移動平均線を明確に割り込むと、この60ヶ月移動平均線を目指す公算です。なお、MACD(12月-26月)は46.71、シグナル(9月)は42.88です。これがデッドクロスするようだと、値幅を伴った下落や、調整期間が長期化するサインとみておく必要がありますね。

 

現状打破には、スター銘柄の誕生が必要ですね。過去の相場なら、そーせいグループ(4565)、ミクシィ(2121)、ガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765)のような、新興市場の物色の柱になるようなスター株が新たに現れると景色はガラッと変わると思います。または、痛みを伴いますが、「セリングクライマックス」の発生ですね。それまでは、東証マザーズ市場の五里霧中の状況は、残念ながら継続する見通しです。

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