遺伝子治療関連銘柄

遺伝子治療とは

遺伝子

異常な遺伝子を持つ細胞の欠陥を修復、修正することで病気を治そうという手法。特にがん細胞の増殖抑制、がん治療の分野で遺伝子治療が注目されている。アメリカ、中国、ヨーロッパなどでは既に遺伝子治療が実際の治療として行われているが、日本では未だ研究、治験段階。今後の研究の進み具合、実用化などのニュースで遺伝子治療関連銘柄の物色が強まると予想される。

遺伝子治療関連銘柄一覧

コード 銘柄名 企業情報・業務内容
4508 田辺三菱製薬 アンジェスMGと組んで、糖尿病などが原因で発症する「重症虚血肢」の治療薬を発売。HGF(Hepatocyte Growth Factor、肝細胞増殖因子)は強い血管新生作用を有することが知られているが、HGF 遺伝子治療薬はHGF を産生する遺伝子を虚血部位に投与することで、局所で産生されるHGF たんぱく質により新たに血管が作られることで虚血状態の改善を図る再生医療の治療薬。本治療薬は、ウイルスベクターを用いないnaked DNA であり、ウイルスベクターに由来する副作用を回避できます。また、従来の薬物の作用機序と異なり、血管新生により虚血状態を改善するため、既存の治療法が無効な難治性の末梢性血管疾患に効果のある画期的な治療薬になるものと期待される。
4569 キョーリン製薬ホールディングス 岡山大学発ベンチャーの桃太郎源(岡山市)と組み、アスベストが原因で発症する中皮腫という難治性のがんを治せる遺伝子治療の治験を開始。桃太郎源の開発する第二世代REIC遺伝子治療用製剤Ad-SGE-REICは、杏林製薬が開発企業となり、アンメットニーズの高い「悪性胸膜中皮腫」に対する臨床試験を開始。REIC遺伝子治療は、第一世代製剤を使用した前立腺がんに対する岡山大学での臨床研究において創薬POCを確立し、現在は第二世代製剤を使用する前立腺がんに対する米国での臨床第Ⅰ/Ⅱa相試験が順調に進行。
4563 アンジェスMG 田辺三菱と組んで、糖尿病などが原因で発症する「重症虚血肢」の治療薬を発売。、自社開発品であるHGF 遺伝子治療薬(一般名:ベペルミノゲンペルプラスミド、開発コード:AMG0001)に関して、田辺三菱製薬と日本国内における末梢性血管疾患を対象とした独占的販売権許諾契約を締結した。同社および田辺三菱製薬は12年10月に米国における末梢性血管疾患を対象としたHGF 遺伝子治療薬の独占的販売権許諾契約を締結しており、田辺三菱製薬は米国に加え、日本国内におけるHGF 遺伝子治療薬の販売権を取得している。
4974 タカラバイオ 以下の遺伝子治療の臨床開発を推進。(1)がん治療薬HF10、(2)TCR遺伝子治療、(3)MazF遺伝子治療。HF10は単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)の弱毒化株で、がん局所に注入することによって顕著な抗腫瘍作用を示す。また、同社と三重大学が共同で開発した次世代のレトロウイルスベクターを用いた、食道がんを対象にしたMAGE-A4・TCR(T細胞受容体)遺伝子治療の第Ⅰ相臨床試験(医師主導治験)が14年3月に開始された。本治験は、がん免疫遺伝子治療の国内初の試み。そして、米国のペンシルベニア大学、ドレクセル大学と共同で、HIV(エイズウイルス)感染症を対象として、RNA 分解酵素MazF遺伝子を用いた遺伝子治療の第Ⅰ相臨床試験を米国において実施。
4028 石原産業 HVJ-E(Hemagglutinating Virus of Japan-Envelope)を用いて、遺伝子、抗体蛋白質、siRNAなどを封入し、細胞や動物組織に導入する新しい基盤技術を確立し、国内で「遺伝子・タンパク質導入試薬 GenomONEシリーズ」を、米国においても世界に先駆けてHVJ Envelope VECTOR KITを商品化することに成功。また、HVJ-Eを利用した細胞融合試薬「細胞融合用試薬 GenomONE-CFを、日米で販売。さらに、アンジェスMGおよびアンジェスの子会社のジェノミディアは、当該技術を駆使することにより、ヒト遺伝子ライブラリーから、新規有用遺伝子を発見。
2370 メディネット 遺伝子治療技術に係る研究は、免疫細胞療法総合支援サービスをコアとする細胞支援事業を展開しているメディネットが、がんに対する最先端集学的治療の確立に向けて、細胞医療の分野にとどまることなく取り組んでいるテーマの一つ。メディネットが研究を行っているがん遺伝子治療技術に関する基礎的研究の結果を、2009年7月9日から開催された『第15 回日本遺伝子治療学会総会』で発表。

遺伝子治療のメリット、デメリット

遺伝子治療のメリットデメリット

日本において、遺伝子治療は未だ臨床試験段階、実用化へ向けて研究を重ねている状態となっている。アメリカ、日本共に1990年代には既に最初の臨床試験が行われているが、それから20年経っても完全な実用化段階に移行しないのには副作用のデメリットも懸念される為である。しかし、一方で遺伝子治療はがんやHIVといった難病、更には生活習慣病といった身近なものにまで大きな効果を発揮するという期待もある。

遺伝子治療のメリット

  • 手術が難しいがん、末期がんなどのがん細胞を破壊、抑制することができるかもしれない
  • 局部注射で患者への負担なく治療が可能
  • 副作用がゼロではないが他治療より少ないと言われる
  • 他の治療と併用、並行し遺伝子治療を行うことができる

がん治療への効果が期待されるが、その他生活習慣病など幅広い病状への応用が可能

がん遺伝子治療、その他の遺伝子治療共に未だ臨床試験段階となっている為、その効果を断言することはできない。あくまでも効果が期待される、活気的な治療法に成り得るという言い方に留まってしまうが、従来の治療法以上にメリットの大きい研究であると期待されている。

遺伝子治療のデメリット

  • 副作用を完全に把握できていない
  • 保険適用外の為、治療費は高額となる
  • ベクター(遺伝子工学)技術も未だ研究途上

臨床試験を行う中で海外では白血病の副作用なども報告されており、その原因も予想はできているものの未だはっきりと解明できてはいない。机上の理論では非常に優れた治療法であっても、それを実際に行うには技術面の進歩が欠かせないという点も挙げられる。ベクター技術は遺伝子治療と深い関わりがあり、この分野の技術発展が急務。また、先端医療全般に言える話ではあるが、保険適用外の為にどうしても医療費は高額となってしまう。

遺伝子治療の今後と実用化目処

遺伝子治療は既に20年間以上臨床試験を重ねている。この話を聞けば「実用化はいつになるかわからない」と思うのが普通かもしれないが、IT技術の著しい発展と同じく、医療、バイオ技術の進歩も近年著しいものとなっている。

2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学山中教授のiPS細胞は2006年のそれが証明され、そこから10年足らずで実用化へと進んでいる。iPS細胞の再生医療と同じくがん治療向けの遺伝子治療の注目度も大きく、従来の研究速度を大幅に加速させ実用化への道を進んでいくだろうと考えられる。

これまで以上に遺伝子治療の開発、研究を行っている遺伝子治療関連銘柄への注目は増してくるだろう。

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