防衛関連銘柄

安保法案、集団的自衛権で関心高まる

防衛関連銘柄

正式名称、平和安全法制は2015年9月に成立した。集団的自衛権の解釈見直しや自衛隊の活動範囲拡大など、日本の防衛に関わる問題を一気に議論したことで賛否両論が巻き起こり、法案成立直前には連日国会前でのデモも行われた。ニュースや新聞でも連日報道されたことでこれまで防衛や軍事に無関心だった国民にも広く内容が伝わり、国全体で関心が高まったことは確かだろう。これにより防衛関連銘柄も注目を集めている。

北朝鮮のミサイル発射、水素爆弾実験も懸念材料

ミサイル

2016年2月7日に北朝鮮がミサイルの発射実験を行った。この1ヶ月前には原子爆弾よりも桁違いの威力を発揮すると言われる水素爆弾の実験も行っている。隣国である北朝鮮がこういった危険な実験、行為を繰り返し行っていることで日本全体に不安が広がりつつある。具体的な軍事介入を日本が行うということは考え辛いが、思惑から軍事関連銘柄、そして防衛の為の防衛関連銘柄が再び注目を集めそうだ。

2017年4月9日以下の項目を追記

防衛関連銘柄一覧

コード 銘柄名 企業情報・業務内容
7980 重松製作所 産業用の防毒マスクや保護メガネの製造を行っており、官公庁も製品の納入先となっている。軍事向けというよりは災害時向けというものが多く、有事の際に物色される傾向にある。
7963 興研 防塵、防毒マスクの生産メーカー。防衛省向けには防護マスクの独占供給を行っており、安定的な需要を確保している。
6208 石川製作所 主要事業は段ボール製函印刷機主体の機械メーカーとなる。そこから防衛機器の取り扱いも行うようになり、艦船向け・防衛の為の機雷製造も行っている。
7721 東京計器 航海・航空計器の大手。防衛省向けが多く、油空圧、流体計器など様々な機器の開発を行っている。レーダ装置や擬似電波発生装置といった防衛、軍事に関わる製品も出しており、防衛関連、軍事関連銘柄の筆頭と言える。
6751 日本無線 船舶用・防衛関連、防災行政無線など無線機器の老舗メーカー。海外向けの市場拡大を見込み中国やアメリカに拠点を置いているが、日本国内で防衛への関心が高まっていることを向け、内需の方も見直しが入っている。
4274 細谷火工 花火などの火工品の製造・試験・燃焼処分を行う化学メーカー。火薬技術を活かし、自衛隊向けの照明弾、発煙筒などの開発、生産を行う。無公害発煙筒は自治体や学校向けとして拡販中。防衛関連だけでなく防災関連銘柄としても注目される。
6946 日本アビオニクス 防衛用表示機器、音響機器など防衛関連向け製品が全体の4割を占める。ただ、防衛省向けのシステムや装備品の納品は一旦落ち着いており、需要は縮小傾向。
6203 豊和工業 国内で唯一の小銃メーカー。自衛隊向けの小銃、迫撃砲、閃光発音筒、発煙弾などを開発し、防衛省に納入を行う。
6111
名証
旭精機工業 名証2部に上場している機械メーカー。主要取引先が防衛省となっており、銃弾類や航空機向け部品などの生産を行っている。

防衛関連銘柄の本命(4274)細谷火工

自衛隊向けの装備品などを扱う化学メーカーということで防衛関連として注目を集める。単純な受注量などを考えれば他の大手防衛関連銘柄が本命となるかもしれないが、時価総額が低く、新興市場で値動きが軽いということもあり、大化けの可能性がもっとも高い銘柄と言える。

安保法制で巻き起こった賛否両論

2015年の安保法制の議論では賛否両論が巻き起こった。与党である自民党、公明党は集団的自衛権の行使容認と自衛隊法の改正、積極的平和主義を掲げて法案を提出。野党である民主党、共産党などはこの法案を戦争法案と呼び、憲法の解釈見直しも違憲とし対立した。維新の党は党内でも意見が割れ、賛成派、反対派に分かれる結末となる。

国会議論は連日行われたが終始噛み合わない答弁が繰り返され、結局最後は自民党が数による強行採決で法案通過となった。民主主義の最終手段とも言われる多数決で最後を決めたことは確かであり、強行採決と言うに相応しいのかはわからないが、最後まで話し合いで解決を図ろうという流れにならなかったことは確かだろう。

憲法学者なども招き、違憲、合憲の議論も連日巻き起こった。現時点では違憲との有識者違憲も多く、翌年2016年の参院議員選挙ではこの辺の憲法改正案も大きな争点となってくるはずだ。

安倍政権は防衛、軍事に関しても積極的な改正を進めている。安保法案成立、そして2016年の参議院選挙で議席確保と憲法改正への道筋を順調に歩んでいるようにも伺える。2016年夏の参院議員選挙の結果次第では更に軍事関連銘柄、防衛関連銘柄の物色が強まることも予想される。

北朝鮮、中国の軍事整備拡張で防衛関連の動きは

安保法案の成立は北朝鮮や中国への牽制も含まれているとの見方もある。現状は防衛の為の安保法制と与党は断言しているが、野党の不安は他国の紛争へ積極的に関わっていくのではないかと部分にある。

中国の動きが及ぼす日本の防衛関連への影響

2010年以降に起こった尖閣諸島問題などで中国との軍事衝突の懸念も一時高まったが、2015年から2016年にかけては中国の動向により防衛関連銘柄等に大きな動きは起こっていない。実際、2015年9月に行われた軍事パレードにおいて、中国の軍備拡張が明らかになったとも言われてはいるが、日本国内において特に緊張が高まったということはなかった。今後、安保法案で議論された集団的自衛権が南シナ海などで発生している領土問題への介入に繋がるようなことがあれば尖閣諸島問題発生時のような緊張が再燃する恐れもあるだろう。

北朝鮮の動きが及ぼす日本の防衛関連への影響

前最高指導者である金正日氏が亡くなり、息子の金正恩氏が後を継いだことで不安や懸念が高まりつつある。犬猿の仲と言われているアメリカを挑発することは日常茶飯ではあるが、最近では親密とされていた中国の制御も効かなくなってきているのではないかと言われている。

2016年に入り、1月には水爆実験、2月にはミサイル発射と中国の抑止を振り切って行われている。こういった行為により日本国内でも対北朝鮮向けの防衛意識が高まっており、僅かではあるが防衛関連銘柄も反応を見せている。

目先は北朝鮮の動向に防衛関連銘柄の動きが連動してくるかもしれない。

テロ対策関連銘柄と防衛関連銘柄

中東地域の混乱により、世界中でテロ行為が多発している。フランスのパリでは2015年11月に同時多発テロが発生し100名以上の死者を生んだ。有志連合による空爆が行われいるがイスラム国(ISIS)の壊滅には至っておらず、更なる難民の発生がテロに繋がるのではないかとの懸念も広がっている。

日本は2016年時点でテロが発生したという事件は起こっていないが、今後はどうなるかわからない。テロ対策関連銘柄、防衛関連銘柄は規模の違いはあるが近いものがある。2016年はこの2つのテーマをしっかり見ておいたほうがいいかもしれない。

>>テロ対策関連銘柄の特集はこちら

追記:地政学的リスクの上昇で防衛関連銘柄が上昇

原子力空母

4月に入り、様々なテロ事件、国際紛争が立て続けに発生し、地政学的リスクが上昇。防衛関連銘柄、テロ対策関連銘柄への関心が高まっている。

以下の事件、問題は全て4月に入ってからの僅か10日足らずの間で起こっている。

ロシア地下鉄テロ事件

4月3日、ロシア第2の都市であるサンクトペテルブルクの地下鉄車内で爆発が発生。少なくとも11人が死亡し、40人以上が負傷するテロ事件が発生した。

プーチン大統領がベラルーシの大統領との会談でサンクトペテルブルクに滞在する期間を狙ってのテロ行為とみられる。同タイプと見られる爆弾が他の駅や容疑者とされる人物の潜伏先でも見つかっており、同時多発的なテロが計画されていたとの報道も出ている。

犯人は中央アジアのキルギス出身と見られているが、イスラム国など中東のテロ組織との関連についてはまだ確定情報は出ていない。

アメリカがシリアのアサド政権へ向けトマホークを発射

4月7日、アメリカ軍はシリアのアサド政権側軍事施設に巡航ミサイル「トマホーク」を59発発射した。

これはアサド政権が反政府勢力が潜伏する街に対し、禁止される化学兵器を使用した疑惑が浮上したことへの対抗措置と見られる。

オバマ政権時、アメリカはアサド大統領の退陣を迫り、反体制派を支援してはいたが、政権側へ直接攻撃を加えることはなかった。イスラム国掃討の為、シリアへの空爆には参加してきたがアサド政権へ対する攻撃は今回が初となる。

日本を含む同盟国の首脳陣はこの行為を支持するとの意思表明をしているものの、一方では化学兵器の使用が疑惑段階であるにも関わらず単独で攻撃を行ったことへの非難の声も上がっている。

アサド政権を支援するロシア、イランからの反発も当然出ており、代理戦争が実際の戦争に発展してしまうのではないかとの懸念も高まりつつある。

また、この行為が米中首脳会談の晩餐会中に行われたという点も重要視されている。

米海軍が空母を朝鮮半島近海に移動

4月9日、米海軍は原子力空母をシンガポールから朝鮮半島へ向けて出航したことを明らかにした。

警告を無視し、ミサイル実験と核兵器実験を繰り返す北朝鮮へ対するけん制と見られる。

先に挙げた米中首脳会談において、トランプ大統領は中国の習近平国家主席に北朝鮮の抑制を提案。しかし、中国は北朝鮮の金体制が崩れれば難民の流入や指導者のいなくなった後の情勢悪化を懸念し具体的な行動には賛同できないだろうと言われている。

アメリカはシリアへのトマホーク発射同様、北朝鮮への軍事介入も単独で行っていくのではないかとの噂もある。アサド政権側への攻撃は北朝鮮問題への対応も口先だけではなく本気であることを示す為のものだったのではないかと言われている。

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