トランプ大統領関連銘柄(トランポノミクス関連銘柄)

トランプ大統領誕生で「トランプ大統領関連銘柄」が話題に

トランプ大統領

2016年11月8日に行われたアメリカ大統領選挙で、ドナルド・トランプ氏がヒラリー・クリントン氏に勝利し、第45代アメリカ大統領となった。

トランプ大統領の誕生により、市場は「トランプリスク」を警戒し、一時「トランプショック」となる急落を見せた。しかし、半日で状況は一変し、市場はトランプ大統領誕生を歓迎。「トランプミクス」「トランポノミクス」への期待が高まり、NYダウは大統領選ウィークで1000ドル近い上昇となった。

日本の投資家もこの流れに乗り、トランプ大統領関連銘柄を探す動きが活発化している。

トランプ大統領は大規模な減税政策、規制緩和、インフラ設備投資を政策に掲げており、この辺りに関連した銘柄がトランプ大統領関連銘柄の本命として浮上してきそうだ。

トランプ大統領関連銘柄(トランポノミクス関連銘柄)一覧

コード 銘柄名 企業情報・業務内容
6240 ヤマシンフィルタ 建設機械用のフィルタ製造を行っている。アメリカでのインフラ投資が拡大し、建設機械の稼動が活性化すれば同社の扱うフィルタの需要にも影響を与えるだろう。同社建設機械用の世界シェアトップを誇っており、この分野での恩恵を独占できる可能性もある。
6301 小松製作所 建設機械のシェア世界2位。トランプ大統領は鉱山などの旧産業の復活に力を入れていく見通しであり、同社が2017年を目処に完全子会社化を進めている米鉱山機械大手のジョイグローバル社の存在も大きい。
6432 竹内製作所 ミニショベルなど中型の建設機械を取り扱っており、欧米でのシェアは非常に高い。トランプ大統領はインフラ投資だけでなく都市部の再開発にも予算を投じると宣言しており、住宅向けの建機販売拡大も期待されている。
7013 IHI 大型ボイラーやLNG貯蔵タンクなどを扱う。トランプ大統領は国内の石油、天然ガスの生産増政策も行っていくとしており、同社の扱うLNG貯蔵タンクの需要が急増するのではないかと期待されている。
5233 太平洋セメント 国内セメントの最大手。アメリカでも展開しており、インフラ投資拡大となれば真っ先に恩恵を受ける企業の一つ。10年で1兆ドルと言われているインフラ整備計画では外せないトランプ大統領関連銘柄と言われる。
5711 三菱マテリアル アメリカでのセメント販売が順調。太平洋セメントと同じくアメリカのインフラ整備で特需が期待されるセメント製造企業の中心銘柄となる。
8306 三菱UFJフィナンシャル・グループ ドッド・フランク法の廃止で銀行にも追い風が吹くのではないかと期待されている。メガバンクであるみずほ銀行、三井住友銀行も好調な動きが期待されるがその中でも三菱UFJが本命。
8604 野村ホールディングス ドッド・フランク法の廃止、その他複数の減税政策によりアメリカ国内だけでなく世界中の株式市場が盛り上がりを見せるのではないかと期待されている。
8750 第一生命ホールディングス 日本最大の投資機関とされる生命保険企業もトランプ大統領の政策で恩恵を受ける業種と言える。国内外に多数投資を行う第一生命は株価上昇による含み資産拡大という恩恵が特に大きい。
6203 豊和工業 防衛関連銘柄。防衛省に小銃等の火器を納品している。トランプ大統領は大統領選の演説で日本への在日米軍維持費用の全額負担を求めており、応じられない場合は米軍撤退も辞さない構えを示している。
6208 石川製作所 防衛関連銘柄。元は段ボール印刷機や繊維機械の製造を行っていたが防衛機器の製造も行い軍需産業に参入。機雷の製造を行い防衛省に納品している。
7011 三菱重工業 防衛関連銘柄。戦車などの特殊車両、艦艇、戦闘機などの軍需製品を扱う。日本の軍備拡大にも関連する銘柄だが、アメリカ国内の軍拡でも恩恵を受ける企業。トランプ大統領誕生でビッグビジネス獲得が期待されるトランプ関連銘柄の一角。
7721 東京計器 防衛関連銘柄。航海・航空計器の大手であり、防衛省向けが業績に与える影響も大きい。アメリカの建機バルブ部品会社との代理店契約も今回のトランプ大統領誕生で好影響を受ける可能性あり。

トランプ大統領関連銘柄の本命(6240)ヤマシンフィルタ

普通に考えれば建機最大手の(6301)小松製作所やセメント最大手の(5233)太平洋セメントなどを本命視するのが妥当かもしれないが株価上昇余地を考えれば(6240)ヤマシンフィルタが最も大きいと言える。ニッチな業種ではあるが世界シェアの大半の担っているということで株価の大化けが期待されている。

ドナルド・トランプ氏とはどんな人物か

ドナルド・トランプ

オバマ大統領の後任として、第45代アメリカ大統領となるドナルド・トランプ氏とはどんな人物かを簡単に説明しておこう。

生年月日:1946年6月14日(大統領当選時70歳)
出身:アメリカ、ニューヨーク州
政党:共和党
家族:妻と子供5人(離婚歴2回)
住居:マンハッタンのトランプタワー内
出身校:ペンシルベニア大学
職業:不動産会社CEO

「トランプタワー」を筆頭に、ホテルやカジノ、ゴルフ場などを運営し、アメリカでは不動産王と呼ばれている。

アメリカ大統領予備選挙では、共和党の泡沫候補でありながら大方の予想を覆し、大統領候補まで上り詰めた。

選挙戦中はオバマ大統領、クリントン候補への暴言を連発。メキシコやイスラム圏の国々、中国への挑発発言も頻繁に行われ「大統領には相応しくない」といった声も非常に多かった。しかし、暴言や失言はあっても国民からの支持は根強く、クリントン氏有利と言われた大統領選本選をひっくり返し、見事大差で勝利を収めた。

大統領選勝利直後は人が変わったような態度となり、オバマ大統領、クリントン氏へ敬意を払った。市場はその辺りを好感したのではないかと言われている。

トランプ大統領の今後に関して、アメリカ国内だけでなく世界中が注目を寄せている。

アメリカ大統領選挙を挟んだ日米株式市場の動向

日経平均株価 NYダウ
11月7日 271.85 17,177.21 371.32 18,259.60
11月8日 -5.83 17,171.38 73.14 18,332.74
11月9日 -919.84 16,251.54 256.95 18,589.69
11月10日 1,092.88 17,344.42 218.19 18,807.88
11月11日 30.37 17,374.79 39.78 18,847.66

アメリカ大統領選挙を挟み、日経平均株価は9日に919.84円安となったが、翌日は1,092.88円高となり、一日でトランプショックから回復となった。

一方、本拠地とも言えるアメリカ市場NYダウはトランプリスクに対する不安の声が上がっていたものの、蓋を開けてみれば一切下げることなく大統領選ウィークは5日続伸、過去最高値更新という記録的な一週間となった。

こういった日米の株式市場の動きにより、トランプ大統領関連銘柄、トランポノミクス関連銘柄への期待が膨らんだと言える。

トランプ大統領が掲げる主な政策

トランプ大統領の政策

11月8日の選挙で勝利し、トランプ氏が大統領に就任することは決定したが、実際の就任日は2017年1月20日であり、今はまだ正式な政策発表には至っていない。

現時点(2016年11月)では大統領選挙の演説内容から、行われるであろう政策を挙げてみた。

  • 法人税率の引き下げ(35%→15%)
  • 本国投資法による法人税減税(35%→10%)
  • 所得税の引き下げ、相続税の廃止
  • ドッド・フランク法の廃止
  • TPPからの離脱
  • NAFTAの関税引き上げ、または撤廃
  • パリ協定からの離脱
  • 1兆ドル規模のインフラ投資

主要な政策だけでもこういったものが挙げられる。これにより、思惑買いされる業種、売られ易い業種が見えてくる。トランプ大統領関連銘柄だけでなく、売られるかもしれないリスク警戒業種(逆トランプ大統領銘柄)も併せてチェックしておくべきだろう。

一つ一つの政策に関しても詳しく解説しておく。

法人税率の引き下げ(35%→15%)

トランプ大統領は企業誘致と海外に流出してしまった国内企業を引き戻す為、大規模な法人税率の引き下げを政策に掲げている。

2016年時点での各国の法人税率一覧

  • アメリカ 38.92%
  • フランス 34.43%
  • ベルギー 33.99%
  • ドイツ 30.18%
  • オーストラリア 30.00%
  • メキシコ 30.00%
  • 日本 29.97%

トランプ大統領が打ち出す35%から15%までの減税が実現化すれば、シンガポールや香港と同水準となり、アメリカ企業の国内回帰だけでなく世界中から有力企業が集まってくる可能性もある。

日本だけでなく、他の先進国も減税に追随せざる得ない状況となることは間違いないだろう。

本国投資法による法人税減税(35%→10%)

米国本国投資法(Homeland Investment Act)とは、2004年、ブッシュ政権化で成立した法人税減税政策である。トランプ大統領も同一政策の実施を検討している。

アメリカ企業が海外の資金を国内に戻す際の税率を大幅に引き下げることで海外留保金を減らし、国内投資を活性化させる狙いがある。

現時点で、アメリカ企業の海外留保金は2兆ドル以上と言われており、これの一部でもアメリカ国内へ還流されれば大規模な経済刺激策となるだろう。

物価上昇、賃金の上昇、ドル高要因となり易い政策といえる。

所得税の引き下げ、相続税の廃止

トランプ大統領は国内個人向けの税率の引き下げも検討している。

所得税率を12%、25%、33%の3段階に簡素化し、実質には富裕層の税率引き下げを見込む。

相続税も富裕層向けの減税政策の一環と見るのが妥当だろう。

これにより、国内投資の活性化を狙う。

ドッド・フランク法の廃止

ドッド・フランク法は2010年にオバマ政権下で成立した法。(別名:ウォール・ストリート改革および消費者保護法)サブプライムローンの崩壊、リーマンショックという金融危機を受け、個人投資家の保護と金融市場の安定化を狙った金融規制と言える。

トランプ大統領はこのドッド・フランク法を廃止することを宣言している。つまりは事実上の金融規制緩和。

ドッド・フランク法が廃止されれば日米の証券会社、銀行など、これまで以上にリスクを取った運営が可能となる。金融市場の活性化に繋がるとの期待が高い。

一方でドッド・フランク法廃止となればリーマンショックといった金融恐慌が起こった際のダメージが巨大化する恐れもある。

この政策により、日本でも銀行関連株、証券関連株が上昇をお見せており、これらの業種もトランプ大統領関連銘柄の一角となっている。

TPPからの離脱

トランプ大統領は選挙戦中「大統領就任当日にTPPから離脱する」と宣言している。これによりTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の成立は難しくなった。

強いアメリカを取り戻す、国内産業を再生するといった演説が労働者階級に強く支持されており、この宣言を簡単に取り消すことはできないだろう。

上院、下院で過半数を確保した共和党からもTPP反対の声は根強くあり、ねじれが解消されたことでより一層TPP施行の実現性は遠のいたと言える。

これまでTPP関連銘柄として物色されてきた銘柄は逆トランプ大統領関連銘柄となりうる。つまり売り要因のテーマということになる。

NAFTAの関税引き上げ、または撤廃

トランプ大統領はNAFTA(北米自由貿易協定)の関税見直し、または撤廃も強く訴えている。

カナダ、メキシコと結んだこの協定により、北米間での貿易においては関税がほぼ撤廃されており、これがアメリカ国内の雇用と産業を脅かしているとトランプ大統領は主張し、撤廃を宣言。

これがラストベルトと呼ばれる北部工業地帯で支持を集め、実際にクリントン氏有利と言われたミシガン州、オハイオ州、ペンシルバニア州での勝利に繋がったと言われている。TPPからの撤退同様、大統領選を勝つ上での重要政策であった為、簡単に取り消すことはできないだろう。

NAFTAが撤廃されればメキシコに工場移転を進めた日本の自動車企業にとっては大きな痛手となる。北米での自動車生産、販売戦略の大幅な見直しを迫られることは間違いない。

従って、日本の自動車関連銘柄も逆トランプ大統領関連銘柄、つまり売り要因のテーマとなってしまう。

パリ協定からの離脱

パリ協定とは、京都議定書に変わる新たな地球温暖化対策として採択され、196ヶ所の国と地域が参加している。

トランプ大統領は地球温暖化に関しても他国がアメリカの工業を弱体化させるためでっちあげたものだと訴えており、早期のパリ協定離脱を宣言している。

日本ではパリ協定が発効されたことを受け、パリ協定関連銘柄、地球温暖化対策関連銘柄、自然エネルギー関連銘柄などが注目されつつあるが、トランプ大統領の意向によりアメリカが離脱となればパリ協定の弱体化もありうる。

1兆ドル規模のインフラ投資

トランプ大統領は選挙の勝利宣言の際に「スラムを改善し、高速道路や橋、トンネル、空港、学校、病院を再建を再建する。インフラを再建する。それによって何百万人もの雇用に繋がる。」と演説している。

10年間で1兆ドル(105兆円)という大規模なインフラ投資を検討しており、この公共事業でアメリカの雇用拡大を見込んでいる。

日本の企業もアメリカでのインフラ整備に関連する銘柄が複数あり、トランプ大統領関連銘柄の本命と言われ物色され始めている。

トランプ大統領関連銘柄の明暗

トランプ大統領関連銘柄の明暗

トランプ大統領は旧産業(自動車製造や鉄鋼製造)の復興を重要視し、新産業(IT関連事業)を軽視する傾向にある。

2000年以降は新産業がアメリカ経済を牽引してきたが、トランプ大統領の誕生でこの風向きが変わるかもしれない。

現時点での思惑では製造業の見通しは明るく、IT企業の見通しは若干暗くなりつつあると言える。

新産業に対し、極端に不利となる政策を取ってくることは考え難いが、その点も注意して見ていく必要があるだろう。

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One Response to “トランプ大統領関連銘柄(トランポノミクス関連銘柄)”

  1. トライボシステム展望(well-to-wheel) より:

     やっぱり産業機械の国の競争優位性は境界潤滑をどう制御するかにかかっていて
    ドイツ車のダウンサイジングの嵐も、結局ピストンピンにDLCだった。しかしこれは違う。潤滑システムを見直せと言っている。自分の担当の部品だけに固執して表面硬度
    をガンガン上げて、相手材を破壊したり、循環システム全体にナノダイヤをまき散らすのは良くないといっているのだ。つまりドイツ方式の部分最適化ではなく全体でドイツを上回るエンジンを作れる展望を示しているのだと思う。

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