来週の相場見通し/日経平均は調整色の強い展開、個人の相場の体感温度は非常に低い

来週の日経平均は調整色の強い展開が予想されます。主因は円高です。円高が是正されない限り、主力の輸出関連株が軟調に推移し、日経平均の上値余地は限定されるでしょう。ただし、日銀は29日の金融政策決定会合で、ETFの買い入れ額を年6兆円に倍増する追加金融緩和を決めました。市場の価格発見機能の機能不全や、企業統治の形骸化という副作用が指摘されているとはいえ、毎年6兆円、日本株を買う主体が誕生したことで、相場全体が下がり難くなったことは間違いありません。

 

ですが、日銀が相場上昇局面で順張り的に買いを入れてくることは考え難いため、あくまでもこれは、相場下落局面での強力な買い支え役の誕生とみておく必要があるでしょう。

 

次の政策のボールは政府の手にあります。安倍政権が、8月2日に決定する経済対策は、融資などを含めた事業規模(2016年度の2次補正予算案と、17年度以降の当初予算案の総額)は28兆1000億円と大きく膨らみます。しかし、国と地方の財政支出(真水)は7.5兆円で、国の支出は6.1兆円です。このうち4兆円を2次補正予算案、残り2兆円超を17年度の予算案や特別会計などで手当てするという、複数年度にまたがる予算措置です。

 

この真水の小ささに関しては市場は既に失望はしているものの、事前報道で、ほぼ織り込み済みです。現時点での市場の今回の経済対策への評価は、「やらないよりはまし。」という程度のものだと思います。このため、今回の経済対策が好感される格好で、相場を押し上げることにはならないでしょう。

 

こうなると、来週の日経平均は膠着しそうです。基本的には26週移動平均線(29日現在16373.77円)を中心に、26週移動平均ベースのマイナス1σ(同15840.17円)と同プラス1σ(同16907.37円)の「バンドウォーク」がメインシナリオです。このバンドを下放れるには1ドル=100円割れの円高進行が必要でしょう。一方、上放れるには1ドル=108円を超える円安が必要だとみています。円相場の動向については、政策決定会合が終わったばかりでもあり、国内発は考え難く、海外発の想定外の要因次第ということになりそうです。

 

ところで、現在の個人投資家を取り巻く環境は非常に厳しく、投資マインドは著しく悪化していると観測されます。主因は、東証マザーズ市場の低迷と、任天堂(7974)に代表される「ポケノミクス関連株」の急落です。

 

東証マザーズ指数の7月29日の終値は920.40ポイントでしたが、一時883.20ポイントまで下落する場面がありました。これは、ブレグジットで相場が混乱した6月24日以来の低水準です。また、歴史的な大商いをこなし株価が急騰した任天堂も足元の調整幅が強烈です。同社の株価は7月19日に32700円を付けましたが、29日には一時20440円まで下落しました。そして、親分の任天堂株の急落の影響で、ポケモン関連株も目を覆うばかりのナイアガラとなっています。個人好みの銘柄群がこのような惨状のため、個人投資家が感じる相場の体感温度は非常に低いと観測されます。とりわけ、信用買い残の積み上がった銘柄が需給悪を背景に、ジリジリと下落し真綿で首を締めるような値動きになっており、それが市場のムードを暗くしています。

 

いずれにせよ、来週以降の日経平均が日銀のETF買いで底堅く推移したとしても、東証マザーズ指数や、ポケモン関連株がリバウンドしてこないと、多くの個人投資家のマインドが良化することはないとみておいた方がよさそうです。

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