投資顧問会社との付き合い方
投資顧問(投資助言・代理業)とは
2007年9月30日に施行された金融商品取引法で、投資顧問業は、投資運用業、投資助言・代理業と法律上の呼称、位置づけが変わりました。
「投資運用業」とは、投資一任契約に基づき、投資者から投資判断や投資に必要な権限を委任され投資を行う「投資一任業務」と、ファンドの財産を主として有価証券等への投資として運用を行う「ファンド運用業務」があります。
一方、「投資助言・代理業」とは、投資顧問(助言)契約に基づいて、有価証券など金融商品への投資判断に関して、顧客に助言を行う「投資助言業務」と、客と投資運用業者との投資一任契約または投資助言業者との投資顧問(助言)契約の締結の代理・媒介を行う「代理・媒介業務」があります。
なお、顧客に助言を行う「投資助言業務」では、投資助言業者の助言を受けて、投資判断自体は顧客自身が行います。
投資顧問に対するカブ知恵の考え
私は、投資助言業者は信頼するべきですが、その助言を盲目的に信じて売り買いをするべきではないと思っています。あくまでも、あなたが株式投資を行う際の「良きアドバイザー」との位置づけでお付き合いするべきです。
専業の個人投資家とは違い、一般的な個人投資家は本業を持っており、24時間365日ずっと、株式投資のことばかり、考えてはいられません。そこで、株式市場を常にウオッチし、兜町で錯綜している様々な投資情報を収集し分析しているプロ集団である、投資助言業者とお付き合いすれば、あなたは株式投資のことばかり考えなくても、少なくとも、他のセミプロ級の個人投資家と同等レベルの投資情報を得られるはずです。これが投資助言業者と付き合うメリットです。
あなたが、どの投資助言業者と付き合うかを決める前に、まずは、興味がわいた投資助言業者の「無料メルマガ」を登録し、購読してみることをお勧めします。そして、各社から日々送られてくるメルマガの内容をじっくり吟味し、当該助言業者が信頼に足る業者か、または、あなたの投資スタンスに合致した業者か、否かの判断を、あなた自身でするのがよいでしょう。
その後、投資顧問(助言)契約した場合は、先述のように、「投資助言業者を信頼はしても、その助言を盲信してはいけません!」。もちろん、投資助言業者は、助言を行う時点で、あなたに対して、最良の助言を行おうと最大限の努力をしているはずです。しかし、「相場は生き物」であり、人間が行うことに絶対はありません。残念ながら、結果として、あなたが損をしてしまう助言も当然あり得ます。だからこそ、あなた自身の運用ルールはしっかりと確立してから、投資助言業者と付き合うべきなのです。
最も重要な運用ルールは、やはり、「資金管理(リスク管理)」です。具体的には、1回の取引で使用する金額の設定、損切りルールの設定、利食いルールの設定、レバレッジ比率の設定などです。
先日、某助言業者の方と話をする機会がありました。驚くことに、スポット銘柄を購入したら、信用枠を使って全力で勝負するお客さんが非常に多いそうです。このような方は、例えば、手持ちの300万円を1年間でバンバン回転させて、1億円程度に増やし、専業投資家になりたいという漠然とした夢を持っているそうです。しかし、多くの場合、このような無茶な投資をする投資家は、どこかでドカンとやられ、市場からの退場を余儀なくされることが多いそうです。
このようなことにならないように、あなたなりの「資金管理」の設定と、設定するだけでなく、そのルールを厳格に守ることが最も重要なのです。投資資金の性格、規模、ニーズは千差万別であり、リスク許容度も人それぞれです。ですから、杓子定規な「資金管理」のルールはありません。しかし、相場想定や銘柄選びを何度か連続して間違ったとしても、市場からの退場を避けることができるような、あなたなりの慎重な「資金管理」のルールを設定しましょう。
一方、多くの投資助言業者は、兜町に飛び交う様々な投資情報を収集・分析した上で、足元の株式市場で人気化する可能性が高い銘柄を、あなたに助言しようと、最善の努力をしてくれるはずです。この銘柄情報を、あなたとの「資金管理」ルールに基づいて、あなた自身の判断で運用することを強く推奨します。つまり、銘柄選びの良きパートナーとして投資助言業者とお付き合いするものの、運用(とりわけ、ワントレード当たりの金額と損切りの金額等)については、あなた自身のルールで粛々と行うようにしましょう。
一発でドカンと儲けようとするのではなく、助言業者が提供してくれるであろう、運用効率の高い可能性の高い銘柄を、慎重な「運用ルール」に基づいて、丁寧な売買を心掛け、安定的な収益獲得を目指してください。そうすれば、せっかく信頼に足る投資助言業者と付き合ったのに、市場からの退場するという最悪の事態は回避できるはずです。
株式会社 カブ知恵 代表取締役 藤井英敏