電線地中化関連銘柄

都知事選直前で電線地中化関連銘柄人気が再燃

電線地中化関連

政府与党は2016年中に「無電柱化推進法案」の設立を目指し協議を進めている。以前から無電柱化、電線地中化の動きは継続しており、話題となる度に電線地中化関連銘柄が高騰してきた経緯がある。

今回、2016年7月後半での電線地中化関連銘柄の人気再燃は東京都知事選挙を控えてのことと考えられる。事前調査で都知事最有力候補の小池百合子氏は防災の観点から電線の廃止、電線地中化を推奨している。今回、小池氏が当選となれば都内だけでも無電柱化が急加速する可能性が高い。

2016年都知事選を直前に控え、改めて電線地中化関連銘柄をチェックしておこう。

電線地中化関連銘柄一覧

コード 銘柄名 企業情報・業務内容
5269 日本コンクリート工業 電線地中化に必要な共同溝、コンクリートボックス共にコンクリート素材や二次製品が必須となる。電線地中化は全国規模なら数十年、東京だけでも数年規模の大規模工事となるので相当量のコンクリート需要が見込まれる。
5233 太平洋セメント セメントで国内首位。東京オリンピックの公共工事だけでなく、電線地中化でもセメントの需要増が見込まれる。
5268 旭コンクリート工業 主力製品はボックスカルバート。ケーブルボックス方式で電線地中化を行う場合はこのボックスカルバート(コンクリートボックス)が大量に必要。
5287 イトーヨーギョー 電線地中化関連の本命。「D.D.BOXシリーズ」や「S.D.BOX」など、電線ケーブルを収納できるコンクリートボックス製品をメインで扱う。電線地中化事業では同社の製品が最も多様されるのではとの思惑あり。
5289 ゼニス羽田 コンクリート二次製品が主力。電線地中化を含む防災関連コンクリート製品に強みを持つ。
5815 沖電線 沖電気系の電線企業。電線地中化となれば既存の電線ケーブルから最新の電線ケーブルに切り替わることは間違いなく、電線企業は特需が予想される。
5809 タツタ電線 電線ケーブルの中堅。電線地中化となれば既存の電線ケーブルから最新の電線ケーブルに切り替わることは間違いなく、電線企業は特需が予想される。
5807 東京特殊電線 電線ケーブルの中堅。電線地中化となれば既存の電線ケーブルから最新の電線ケーブルに切り替わることは間違いなく、電線企業は特需が予想される。
5805 昭和電線ホールディングス 東芝発祥の電線メーカー。電線地中化となれば既存の電線ケーブルから最新の電線ケーブルに切り替わることは間違いなく、電線企業は特需が予想される。
5922 那須電機鉄工 地中線、電線共同溝関連製品を多数取り扱う。地中線ケーブルをまとめる金属製品のシェア高い。
5603 虹技 下水道鉄ぶたや電線共同溝用鉄ぶたなどの鉄鋼製品を取り扱う。C.C.BOX(電線共同溝)タイプの電線地中化が主流となりつつあり、同社製品の需要も高まると予想。

無電柱化のメリット(電線地中化のメリット)

政府主導で行われる無電柱化、電線地中化、推進するにはそれなりのメリットがあるからに他ならない。無電柱化のメリットをまとめてみた。

景観の改善

電柱というよりはそこに張り巡らされた無数の電線が景観を損なうのではと言われている。電線が綺麗にまとまり、乱雑になっていなければそこまで景観を損なうとまでは言われなかったかもしれないが、現在日本にある電柱、電線は素人では一切手が付けられない程メチャクチャとなっている。電線地中化で景観問題を改善できるだろう。

災害時の救援活動妨げを回避

地震や台風といった災害時、倒れた電柱が救助作業車の妨げとなるケースがある。重い電柱を撤去するにはその為の専用作業車がまた必要となり、災害救助が大幅に遅延するリスクが発生してしまう。電線地中化を進めることで災害救助の妨げを回避することができ、電線の断裂による停電なども防ぐことができる。

通行の妨げがなくなる

電線は主に歩道に作られている。道幅の広い道路であれば気にならないかもしれないが、人一人通るのがやっとの歩道に電柱が立っていれば通行時は一旦車道に出ざる得ない。電線地中化で通行の邪魔を無くし、交通事故リスクの軽減にも繋がる。

資産価値の向上

上記のようなメリットがあることから、電線地中化が完備された地域は資産価値が高い傾向にある。電線が張り巡らされた地域で電線地中化が進めば資産価値の向上に繋がる可能性も十分に考えられる。

無電柱化のデメリット(電線地中化のデメリット)

無電柱化、電線地中化にはメリットだけではなく、当然ながらデメリットも複数存在する。簡単には推し進められない理由がこちら。

コストが掛かる

電線地中化は普通の電柱と比べ莫大なコストが発生する。整備費は1キロメートル当たり5億程度と言われており、一般的な電柱の建設費用と比べ10倍~20倍となる。これを日本全体で進めるとなると数兆規模となってもおかしくはない。短期で推し進めることは難しく、費やせる予算から考えても数年~数十年がかりの事業となることは間違いないだろう。

メンテナンスが手間となる

無電柱化は電線を全て地中に埋めてしまう為、何か問題が起こった際には地面を掘り起こして調べる必要が出てくる。定期検査、定期メンテナンスの際にも同様の手間が必要となる。メンテナンス面では現状の電線剥き出し状態が楽というのは確かだろう。

断線した際の復旧に時間が掛かる

メンテナンスと同じく、断線した際には剥き出しとなっているほうがすぐに復旧できる。電線地中化を行った場合、地面を掘り返してみるまでは断線なのか違うのかも分からない場合がある。電柱が倒れる心配がなく、災害に強いと言われる電線地中化ではあるが、大規模な地震発生時はむしろ弱いのではないかとも指摘されている。

海外主要都市では電線地中化が進む。日本は後進国?

海外の主要都市では電線地中化が進んでいる。ロンドン、パリ、ヨーロッパなどはいずれも無電柱化率50%と電線地中化が着々と行われているが、東京23区では未だ10%未満。逆に日本では未だ電柱が増え続けており、世界の電柱事情とは逆行している印象がある。

2020年東京オリンピックへ向け電線地中化を加速

日本における電柱の増殖を防ぐ為、政府主導で電線地中化が積極的に推進されている。電線地中化推進派にとっては東京オリンピック誘致成功は渡りに船だったと言えるだろう。日本の魅力的な景観を訪日外国人に披露する為、2020年までを目処に電線地中化が活発すると予想される。

東京都知事選の結果次第で電線地中化急加速

2016年7月、東京都知事選を前に電線地中化関連銘柄の動きが活発化してきている。

事前調査で最有力と言われる小池百合子氏は都知事選に立候補する前から「無電柱化を推進する市区町村長の会」を立ち上げ、一貫して電線地中化を訴えてきた。都知事選の演説でも防災の観点から電柱を無くすことが非常に重要とし、重要政策の一つとしている。

都知事選を一週間前に控えた現時点で小池百合子氏が都知事最有力。選挙に向けて電線地中化関連銘柄がより一層盛り上がってくると予想される。

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