今週の相場見通し 案の定「今度は雇用統計かよ」というムードが週を通じて市場を覆う

27日の大阪ナイトセッション日経平均先物9月物は前日比190円高の16590円でした。一方、26日のNYダウは前日比53.01ドル安の18395.40ドルでした。週末26日は、米国の年内利上げ観測の強まりを受け、NY円相場が1ドル=101円台後半のドル高・円安に振れたことが日経平均先物にポジティブに作用しました。しかし、NYダウが軟調に推移したことはネガティブ材料でした。それでも、日経平均先物については、前日比190円高となったことからも、円安効果が勝ったのでしょう。

 

ところで、麻生太郎財務相は27日、「いよいよ利上げをやらざるを得ないところまで来ていると思う」と述べています。こうなってくるとやはり、利上げが9月20~21日の次回FOMCで実施されるのかが、当面の世界の金融市場の焦点になる見通しです。

 

ちなみに、イエレンFRB議長は26日の講演で、「米経済は緩やかな拡大が続き、追加利上げの条件が整ってきた」と述べました。そして、フィッシャーFRB副議長が直後の米CNBCのインタビューで9月の利上げの可能性を認め、年内2回の利上げの可能性についても否定しませんでした。これを受け、先物市場では、次回FOMCで利上げする確率は36%に上昇しました。ゴールドマン・サックスも26日、9月のFOMCで追加利上げに踏み切る可能性を従来の30%から40%に引き上げました。

 

こうなってくると、9月2日(日本時間9月2日21時半)発表の8月の米雇用統計が利上げの有無を判断する上で、非常に重要になってきます。6~7月に再び非農業部門の就業者の増加幅は20万人を上回ってきましたので、この流れを引き継ぎ、8月の就業者数が順調に増加し、労働市場の堅調さが確認されれば、9月の利上げ実施確度が一段と高まる見通しだからです。

 

前週は、週末26日のイエレンFRB議長のジャクソンホールでの講演というイベントがあったため、週を通じて様子見気分が強かったです。今週も週末に8月の米雇用統計という重大イベントを控えているため、前週同様、多くの投資家は模様眺めスタンスを崩すことはなさそうです。「せっかく、イエレンが終わったのに、今度は雇用統計かよ・・・」というムードが週を通じて市場を覆うでしょう。

 

なお、日銀は、25日、26日と2日連続でETFを707億円買い入れました。しかし、25日の日経平均は前日比41.35円安、26日は同195.24円安と、2日続落しました。確かに、26日に関しては、ファミリーマート(8058)が29日付で日経225に採用されるのに伴う売りが出たことは考慮するべきです。しかしながら、日銀のETF買いのインパクトは意外に乏しいなというのが率直な印象です。

 

ただし、一部では、証券会社が日銀のETF買い入れがない日に、運用会社にせっせと買い集めた現物株を持ち込んでETFを組成させておいて、且つ、先物でヘッジをせずETFを在庫として保有しているのではないかとの見方があるようです。そして、日銀による買い入れがあった際に、先物によるヘッジなしのETFの在庫をそのまま渡すため、(そもそも先物を売っていないため)先物の買い戻しが入らず、買い入れを実施した当日の後場に日経平均が上がらないとの見方もあるようです。もちろん、この場合、証券会社は結構大きな相場変動リスクを抱えることになります。まあ、いずれにせよ、25日、26日の動きをみる限り、日銀がETFを買い入れたその日の後場は強いとは、単純に言えませんね。

 

それはともかく、日銀は今週も(公表されていない買い入れ)ルールに基づいて、粛々とETFを買うでしょう。相場の押し上げ効果は限定的とはいえ、日銀という確固たる買い手の存在は買い方に安心感を与え続けるため、日経平均の下落ピッチは従来に比べ鈍ることは間違いないと思います。このため、日経平均のボラティリティーは低位安定するでしょう。よって、日経平均は膠着感の強い状況が継続しそうです。以上のことから、今週の日経平均の想定レンジは26週移動平均線(26日現在16427.74円)~26週移動平均ベースのボリンジャーバンドプラス1σ(同16914.14円)です。

 

一方、東証マザーズ指数の26日終値は前日比15.61ポイント安の894.14ポイントでした。52週移動平均線(26日現在913.04ポイント)や24ヶ月移動平均線(同920.35ポイント)を割り込みました。また、売買代金も7月20日から8月15日まで18営業日連続で、活況の目安となる1000億円を割り込みました。16日に1039億円と1営業日だけ1000億円を回復したものの、17日から26日まで8営業日連続で1000億円を割り込んでいます。指数は軟調で、且つ、商いは低迷し流動性枯渇が続いています。こんな状況では、個人投資家の体感温度が低いままで、マインドの改善は期待薄ですね。

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