セルロースナノファイバー関連銘柄

セルロースナノファイバーとは

セルロースナノファイバー

強度は鉄の5倍、重量は5分の1、原材料は植物、セルロースナノファイバー(CNF)は強く、軽く、環境に優しいという万能の素材と言われている。見た目はサランラップのように透明で柔軟、熱を加えても膨張し難いという性質も兼ね備えている。

未来の素材であり、製紙会社がこぞって参入し、実験と実用化を進めている。近々、このセルロースナノファイバーを利用した製品も出てくるだろう。2030年には関連市場1兆円以上と言われるセルロースナノファイバーは関連銘柄も含めて今後チェックしておくべき重要テーマと言える。

セルロースナノファイバー関連銘柄一覧

コード 銘柄名 企業情報・業務内容
2108 日本甜菜糖製糖 国立大学法人北海道大学と同社は、北大が果物から新規に単離した微生物を用い、「発酵ナノセルロース」の大量生産に関する共同研究を行い、大量生産技術の開発に成功した。
4461 第一工業製薬 2020年3月期を最終年度とする5年間の中期経営計画では、総額120億円を投じて15年秋稼働の三重県四日市市内の新工場を事業の中核に据えている。新工場は生産のほか、開発や営業の機能もある複合拠点とし、植物由来の新素材「セルロースナノファイバー」などの早期事業化に取り組む。
4963 星光PMC 2014 年10 月に竜ヶ崎工場(茨城県龍ヶ崎市)においてセルロースナノファイバー(CNF)の実証生産設備(パイロットプラント)の建設工事を完了した。本プラントは、経済産業省 イノベーション拠点立地推進事業「先端技術実証・評価設備整備費等補助金」の事業にも採択され、「次世代バイオ素材高機能・木質ナノセルロース製造システムの開発」という国の支援による事業。本プラントの稼働により、2014 年11 月から本格的な変性CNFサンプルの提供を開始。
6378 木村化工機 離解された繊維原料を予備的に解繊した後、予備解繊された繊維原料に超音波を印加して微細繊維化するとともに、超音波処理工程が終了するまでのいずれかの時点で、繊維原料に酵素を作用させるようにしているので、酵素作用による微細繊維化促進作用と、超音波よる高微細化作用により、十分に微細化されたナノファイバーを効率よく製造することが可能になる特許を出願。また、セルロース系の繊維原料に含まれる、不要なリグニン、ヘミセルロースなどの、繊維を接着して微細繊維化を妨げる物質の接着力を弱めることが可能になり、ナノファイバー化をより促進させることが可能になる特許も出願。
3877 中越パルプ セルロースナノファイバーのサンプル販売を13年3月より行っている。17年度にセルロースナノファイバー(CNF)の量産を始める。生産能力を10倍に引き上げる。実証試験用の製造設備がある高岡工場(富山県)や川内工場(鹿児島県)などを選択肢として国内に生産ラインを設けることを検討。

万能素材でありながら安定供給も可能。

セルロースナノファイバーの安定供給

冒頭でも記載した通り、セルロースナノファイバーは鉄よりも堅く、プラスチックよりも軽い。更に耐熱性もあり、透明で多様な用途が考えられる。これだけ万能な素材でありながら原材料は木材などの植物ということもあり、環境に優しく安定供給も可能となっている。

セルロースナノファイバーと炭素繊維の比較

セルロースナノファイバーと炭素繊維の比較

セルロースナノファイバーと同じく、未来の素材として注目されているものに炭素繊維がある。炭素繊維はセルロースナノファイバー同様、「軽くて強い」が最大のポイントと言える。重量はセルロースナノファイバーよりやや重いが鉄の4分の1程度、強度は鉄の10倍、単純計算でセルロースナノファイバーの倍程。比弾性率、耐摩擦性、耐熱性などあらゆる面で炭素繊維が上回っている。ただ、セルロースナノファイバーよりも製造コストが高く、加工が難しいといったデメリットもある。

この2つの素材は強度面と軽さで非常に期待されているが、調達し易さを考えるとセルロースナノファイバーが先に普及する可能性が高い。用途が全く異なる可能性がある為、簡単に比較すべきではないかもしれないが、いずれにせよセルロースナノファイバーや炭素繊維といった新たな素材が今後は普及してくると思われる。

セルロースナノファイバーの実用化

化学企業、製紙企業など、セルロースナノファイバーの研究を行い、実用化を目指す会社が増えてきた。今後は研究の成果を見せ、セルロースナノファイバーを実用化した商品、製品が増えてくるだろう。

世界初・セルロースナノファイバーの透明シート

セルロースナノファイバーの透明シート

情報源: 【スゴ技ニッポン】夢の新素材「セルロースナノファイバー」実用化へ 強度=鉄の5倍、重量=5分の1 製紙各社の開発急ピッチ(1/4ページ) – 産経ニュース

王子ホールディングス(3861)と三菱ケミカルホールディングス(4188)はセルロースナノファイバーの共同研究を行っており、2013年には世界初となるセルロースナノファイバーの連続シート化にも成功している。強度の高い透明シートは様々な用途での利用が考えられ、これが安価に、安定供給されることでエレクトロニクス、輸送機器、建材、医療といった分野での活躍が期待される。

食品、医薬、化粧品などにもセルロースナノファイバー

様々な分野でセルロースナノファイバー

情報源: セルロースナノファイバーの製造技術と用途開発|CNF事業推進室|日本製紙グループ

日本製紙(3863)は同社のパルプ化技術を活かし、セルロースナノファイバーの素材開発を行っている。2013年には国内初となる「実証生産設備」を設置し、セルロースナノファイバーの実用化を狙う。強度だけでなく自然の製品ということで人体への悪影響も考え辛く、食品、医薬、化粧品といった人に直接触れる素材への応用も期待されている。

セルロースナノファイバーの課題とは

セルロースナノファイバーは研究が進み、既に実用化一歩手前まで来ている。2016年~2017年にかけて、セルロースナノファイバー製品が市場にも出回ってくるはずだ。だが、現時点ではやはり精製や加工には相当の手間と労力が掛かる為、コスト面では鉄やプラスチックより割高となる。普及が進めばコスト面の問題はクリアできるはずなので当面の課題としては精製技術の向上といったところだろう。

セルロースナノファイバーと同じく炭素繊維といった新素材が続々と市場に出てくるだろう。セルロースナノファイバー関連銘柄、炭素繊維関連銘柄も益々注目となるはずだ。

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