リチウムイオン電池関連銘柄
リチウムイオン電池とは
正極と負極をリチウムイオンが移動することで充電や放電を行う二次電池。二次電池にはリチウムイオン電池のほかにニカド電池やニッケル水素電池といったものがあるが小型で大容量の電池を蓄えられるリチウムイオン電池が今後シェアを拡大してくると思われる。コスト面でニッケル水素電池と競い合っている部分があるが大量生産と技術が進めば二次電池市場はリチウムイオン電池のみとなる可能性も少なくない。
リチウムイオン電池は更に研究、開発が進み、「リチウムポリマー電池」「リチウムフェライト電池」などが市場に出始めている。より小型化、軽量化が進み、更に安全面の強化も行われている。
二次電池ではないがリチウムイオン電池の対抗馬として燃料電池(水素電池)の開発も進んでいる。次世代自動車においてもEV(電気自動車)とFCV(燃料電池自動車)が世界中で開発争いとなっている。
2016年11月26日以下の項目を追記
目次
リチウムイオン電池関連銘柄一覧
コード | 銘柄名 | 企業情報・業務内容 |
9478 | SEホール&インキュベーションズ | 同社出資先の米国電池関連技術ベンチャーであるZeptor社とローレンス・バークレー国立研究所との共同プロジェクト『2次電池向け高能力アノード』が、R&D100賞での優秀賞(環境技術部門)を受賞した。この発明は、両者の技術を組み合わせることにより、これまで絶対的な潜在力が認知されていながら使いこなしが難しかったシリコンを活物質として、リチウムイオン電池の性能を飛躍的に向上させる技術。 |
4080 | 田中化学研究所 | 同社及び住友化学(4005)は、資本業務提携契約に基づき、車載用途を中心とした次世代リチウムイオン二次電池の正極材の共同開発に着手し、現時点で、有望と思われるハイニッケル系材料を含めた幾つかの品目を見出している。また、資本提携関係の一層の強化を目指す方向で意見が一致した場合には、住友化学の保有割合が同社の発行済株式総数に対して約30%となることを目途に追加取得することを、引き続き検討していくという。 |
6619 | ダブル・スコープ | リチウムイオン二次電池用セパレータの製造・販売を主たる事業とし、日本、韓国、中国及び米国に拠点を置く、リチウムイオン二次電池メーカーを主要な顧客としている。 |
4109 | ステラ ケミファ | 中国において現地企業と共にリチウムイオン電池用電解質の合併工場を設立し同事業の生産強化を図る。PM2.5など環境問題が深刻化する中国では、日本や欧米以上に電気自動車への関心が高い。リチウムイオン電池においても中国市場の需要確保は非常に重要であり、同社はその点において一歩リードしていると言える。 |
4044 | セントラル硝子 | 中国でのリチウムイオン二次電池用電解液の市場拡大が想定以上のスピード。同社も生産速度を加速させ、中国の需要拡大に追い付き、シェアの確保を狙う。2016年4月にも新たな増産設備が稼動し、今後の業績上積みに寄与していくものと考えられる。 |
7271 | 安永 | リチウムイオン電池の正極に微細な加工を施すことで活物質の剥離を抑制力を高め、電池寿命を大幅に向上する技術を開発。この技術でリチウムイオン電池の寿命を約12倍向上させることに成功したと発表。 |
リチウムイオン電池の課題
リチウムイオン電池は従来の二次電池と比べればあらゆる面で優れているが、新たな電池として期待される燃料電池と比べれば見劣りする部分も多い。リチウムイオン電池が普及する為の課題もいくつかある。
安全性
リチウムイオン電池は他の二次電池と比べ、エネルギー密度が高いことで発熱し易く、発火の可能性もある。勿論、商品化されたものは厳しい審査基準をクリアしたものであり、よほど特殊な事業が無い限り発火することはないだろう。ただ、可能性は低いといっても万全を期した対策を求められるのは確かと言える。
大容量化
二次電池に比べ、燃料電池は元となる燃料が供給可能であれば永続的に放電を行うことができる。トータル的な容量部分で燃料電池には及ばないリチウムイオン電池ではあるが今後の改良で大容量化が期待あれる。
小型、軽量化
リチウムイオン電池は小型化が可能であり、既に携帯やスマホ、タブレットなどで大きなシェアを占めている。今後更に小型、軽量化が進み、ウエアラブル端末や医療機器などでの利用にも期待が集まっている。
超寿命化
リチウムイオン電池にも当然ではあるが寿命がある。今後、自動車など、日常長期的に使われるものにリチウムイオン電池を普及させたいとなれば更なる超寿命化も必須となる。
高速充電
リチウムイオン電池がEVやスマートグリッドに活用される機会が増えてくれば増えてくるほど、よりスピーディーに充電を完了する技術が必要となってくる。
リチウムイオン電池は二次電池の主役となりうるのか
リチウムイオン電池を含む二次電池は燃料電池の出現で見劣りする部分も挙げられているが、それでも用途によっては二次電池が優位となる状況も多く、どちらか一方だけが生き残るという展開は考え辛い。燃料電池と二次電池、どちらも今後更なる発展を遂げ新型電池市場を盛り上げてくると考えられる。
その中でリチウムイオン電池は二次電池の主役を保ち続けることとなるのか?恐らくはそうならないと予想される。リチウムイオンを応用した「リチウムポリマー電池」「リチウムフェライト電池」が開発されると同様に、リチウム以外の化合物を用いた二次電池の研究が続々と発表されている。リチウムイオン電池の効率性、安全性をを上回る二次電池が表れてもおかしくはない。しかし、今のところは開発が進んでいるリチウムイオン電池のリードは大きく、しばらくはリチウムイオン電池、そしてその関連銘柄が注目を集めることが続きそうだ。
トヨタ自動車(7203)が EV(電気自動車)の社内ベンチャー立ち上げ
トヨタ自動車はエコカーとして、PHV(プラグインハイブリッド車)、FCV(燃料電池車)、EV(電気自動車)全パターンの開発を行ってきたが、その中でも特に力を入れていたのがFCVと言われている。
水素燃料自動車の「MIRAI」は国を挙げて普及を進める『国策』との見方もあったが、水素ステーションの普及には億単位の費用が必要であり、発展途上国での普及を疑問視する声も挙がっていた。
このタイミングでEVの社内ベンチャーを立ち上げるとなると、FCVからEVへ開発の比重をシフトしてくる可能性も考えられる。
これまでFCVとEV、どちらが次世代エコカーの主流となるのか論争が続いていたが、世界のトヨタもEVへシフトチェンジしてくるとなれば一気にEVの普及が進むと考えられる。
EV用の電池はリチウムイオン電池が使われており、EVの普及がリチウムイオン電池関連銘柄に与える影響は大きい。
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