7月12日 カブ知恵 モーニングミーティング議事録
本日の個別銘柄動向コメント
安川電機(6506)
7月9日、「2022 年 2 月期 通期連結業績予想および配当予想の修正に関するお知らせ」を発表しました。これが買い材料視されそうです。同社を取り巻く環境は、グローバルにおいてコロナ禍からの正常化が進み、製造業全般の設備投資は力強い回復が見られています。中国においては自動車を始め、ニューインフラ関連や 3Cなど幅広い市場で積極的な投資が継続して行われ、他の地域においても自動車・半導体・電子部品などを中心に需要が高い水準で推移しています。これにより、主力事業であるモーションコントロール事業とロボット事業において想定以上の受注が続いていることから、2021 年4月9日に公表した2022 年2月期通期連結業績予想を上方修正しました。経営状況を総合的に勘案し、2022 年 2 月期中間および期末の配当予想を20円から26円に修正することとしました。この結果、1株当たりの年間配当予想は、前期比28円増配の52円となります。
NEW ART HOLDINGS(7638)
7月9日、「エスト・ウェストオークションズ株式会社の株式の取得(子会社化)及び第三者割当による自己株式処分に関するお知らせ」を発表しました。これが買い材料視されそうです。同社は 2021 年7月9日開催の取締役会において、エスト・ウェストオークションズ株式会社(「エスト社」)の発行済み株式の 70%を取得し、子会社化すること、また、エスト社の株式取得の対価の一部とするために、自己株式の処分を行うことについて決議しました。また、同日、「当社3ヵ年計画の概要について」も発表しました。尚、本計画は、本日子会社化する旨を開示致しましたエスト・ウェストオークションズ株式会社の事業計画をフィンテック事業に含めています。
オーエスジー(6136)
7月9日、「2021年11月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」を発表しました。これが買い材料視されそうです。同社グループにおいては、前期の後半より業績は回復基調にあり、地域によって強弱はあるものの、その傾向は当期になってより顕著になりました。同社グループの主要な市場である自動車関連産業においても、主要国での自動車の月次生産台数は新型コロナウイルス感染症流行前に近い水準まで回復してきています。以上の結果、売上高は612.17億円(前年同期比10.8%増)、営業利益は70.91億円(同17.6%増)、経常利益は72.61億円(同21.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は47.51億円(同35.0%増)となりました。また、海外売上高比率は前年同期と比較して増加し、62.4%(前年同期は57.7%)となっています。
旭化学工業(7928)
7月9日、「業績予想の修正に関するお知らせ」を発表しました。これが買い材料視されそうです。2021年8月期通期連結業績予想について、主要な販売先の電動工具業界は巣ごもり需要等により販売が継続して好調に推移しました。このような状況から、下期は受注が落ち着く見込みでしたが、日本国内、中国工場では継続して好調に受注する見込みです。売上高は、為替の円安元高の影響もあり予算比8.4%増の103億円の見込みです。利益については、売上高の影響により増加する見込です。
日置電機(6866)
7月9日、「連結業績予想及び配当予想の修正に関するお知らせ」を発表しました。これが買い材料視されそうです。新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済活動の制約があったものの、中国、台湾、韓国など東アジア各国の経済活動が急速に回復し、海外市場への売上高が増加しました。また、脱炭素に向けた世界各国の取り組みを受け、同社の主要顧客の自動車及び電子部品業界では設備投資の回復が進んでおり、バッテリー、モーター、電子部品関連の計測器の需要が高まっています。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、世界経済は先行き不透明な状況が続いていますが、前回公表した業績予想を上回る見込みとなったためこれを修正しました。配当については、期末配当を前回予想比15円増の60円にして、30円の記念配当も実施、結果、期末配当は前回予想の45円に対して45円増の90円に修正し、年間配当を1株当たり155円とする予定。
ファーストブラザーズ(3454)
7月9日、「2021年11月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」を発表しました。これが買い材料視されそうです。同社グループは、賃貸不動産ポートフォリオの拡充を進めるとともに、ポートフォリオ入れ替えの観点から一部物件の売却活動も進めています。前年第2四半期連結累計期間に比べ、当第2四半期連結累計期間は物件の売却額、売却利益ともに増加したこと等から、売上高141.76億円(前年同四半期比609.6%増)、営業利益28.67億円(同1389.7%増)、経常利益26.15億円(前年同四半期は1.59億円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益17.48億円(前年同四半期は9200万円の損失)でした。
アジア航測(9233)
7月9日、「通期業績予想の上方修正及び配当予想の修正(増配)に関するお知らせ」を発表しました。これが買い材料視されそうです。2021年9月期通期連結業績は、売上高は325.00億円(前回予想比4.8%増)、営業利益は23.40億円(同65.4%増)、経常利益は25.20億円(同65.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は17.60億円(同89.2%増)に上方修正しました。期末配当に関しては、前回予想の1株当たり14円の普通配当に11円を増配し、1株につき25円にします。
和田興産(8931)
7月9日、「2022年2月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(非連結) を発表しました。これが買い材料視されそうです。当第1四半期累計期間における売上高は109.69億円(前年同期比135.2%)、営業利益は11.20億円(同269.0%)、経常利益は9.66億円(同477.0%)、四半期純利益は6.66億円(同880.0%)でした。主力の分譲マンション販売においては、開発の基盤となる用地価格の上昇や建築コストの高止まりがあるものの、住宅ローンの低金利の継続や住まいに利便性を求める傾向が強まっていること等から、分譲マンション市場は比較的堅調に推移しており、同社としては、新規発売物件を中心に契約獲得に向けた販売活動及び引渡計画の推進に注力しました。その結果、当第1四半期累計期間における売上高は74.21億円(前年同期比105.6%)、セグメント利益(営業利益)は7.57億円(同178.4%)でした。
メタップス(6172)
日本経済新聞が「米グーグルが日本で金融事業に本格参入することが8日までにわかった。国内のスマートフォン決済会社を200億円超で買収し、インドや米国に続き日本でも2022年をめどに自社グループで送金・決済サービスを始めるもようだ。」、「グーグルが買収するのはスタートアップ企業のpring(プリン、東京・港)。17年に決済代行のメタップスや、みずほ銀行などが共同出資して設立した資金移動業者だ。複数の関係者によると、グーグルがみずほ銀行などプリンの既存株主から全株式を200億~300億円で取得する方向で最終調整に入った。」と報じました。これが買い材料視されそうです。なお、メタップスは、7月8日、「本日、日本経済新聞電子版において、当社の持分法適用関連会社である株式会社 pring の株式譲渡に関する報道がありましたが、当社が発表したものではございません。また、当社は中期経営計画の実現に向けた事業ポートフォリオの見直しを進めておりますが、現時点において開示すべき決定した事実はございません。」とのコメントをリリースしました。
相場観
7月9日の日経平均は前日比177.61円(0.63%)安の27940.42円と、3日続落しました。5日移動平均線(9日現在28333.36円)、25日移動平均線(同28805.92円)、75日移動平均線(同28939.75円)全て下回っています。なお、7月10日の大阪ナイトセッションの日経平均先物9月物は前日比300円高の28510円、高値は10日03時57分の28560円、安値は9日16時30分の28090円でした。7月9日の東証1部の騰落レシオ(25日移動平均)は85.59と前日の86.43から低下しました。新高値銘柄数は18、新安値銘柄数は350でした。また、7月9日現在のMACD(12日-26日)はマイナス162.47と前日のマイナス116.21から低下し、シグナル(9日)はマイナス47.03と前日のマイナス25.71から低下しました。ヒストグラム(=MACD -シグナル)はマイナス115.44と前日のマイナス90.50から低下し、「売り」を継続しました。これは6月21日に売り転換しました。なお、ここ20日間のディストリビューションデー(株価指数が下落するときに取引高が前日より増大する日のことです。20日以内に5回あると暴落の兆しと言われています。)は6日です。
9日のNYダウは反発し、前日比448.23ドル高の34870.16ドルと1週間ぶりに過去最高値を更新しました。ナスダック総合株価指数は反発し、同142.134ポイント高の14701.919ポイントと過去最高値を更新しました。S&P500種株価指数は同48.73ポイント高の4369.55ポイントと過去最高値を更新しました。米10年物国債利回りは、1.36%と前日に付けた5カ月ぶり低水準である1.25%から上昇しました。長期金利の低下は景気減速懸念を映しているとみられてきたため、金利上昇で投資マインドが改善しました。
日本株に関しては、7月8日、9日でETF分配金支払いに伴う現物・先物売りが一巡しました。また、7月9日の日経平均終値は27940.42円と、安値27419.40円から521.02円も戻し、7月10日の大阪ナイトセッションの日経平均先物9月物は前日比300円高の28510円となっていることから、7月9日の27419.40円が当面の底値になったとみています。政府は7月8日、東京都を対象に新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言を発令しました。沖縄県への宣言と埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県で適用する「まん延防止等重点措置」は延長しました。いずれも8月22日までで都への宣言発令は4度目です。感染リスクが高い飲食店での酒類提供は対策を強化し、12日以降、宣言地域では休業を含め提供の一律停止を要請します。確かに、これは日本株の上値圧迫要因でしたが、今回の27419.40円までの下落過程で織り込み済みになったと考えています。日経平均の本日の想定メインレンジは、28500円±300円程度です。ほぼ全面高になるとみています。
物色面では、7月3日に静岡県熱海市伊豆山で土石流災害が発生しました。また、活発な梅雨前線の影響で、九州南部を中心に7月10日未明から記録的な大雨に見舞われました。気象庁は10日朝、鹿児島、宮崎、熊本の3県に、数十年に1度の深刻な災害が想定される「大雨特別警報」を発表しました。このように、最近、自然災害が相次いでいるため国土強靭化関連が人気化しそうです。具体的には、アジア航測(9233)、コーアツ工業(1743)、日本基礎技術(1914)、タケエイ(2151)、技研製作所(6289)、竹内製作所(6432)、ショーボンド(1414)、安藤ハザマ(1719)、大豊建(1822)、ライト工業(1926)、キタック(4707)、ITbookホールディングス(1447)などに注目しています。
一方、7月9日の東証マザーズ指数は前日比9.22p(0.80%)高の1168.30pと、5日ぶりに反発しました。5日移動平均線(9日現在1177.63p)、25日移動平均線(同1183.65p)、75日移動平均線(同1177.78p)全て下回っています。出来高は8944万株、売買代金は1734億円でした。5月12日に、2021年3月9日の1113.58pと、2020年12月22日の1125.60pに挟まれた「中期的な下値サポートゾーン」を割り込んだことで、底割れとなり、調整が長期化するリスクが高まっていましたが、このゾーン上限の1125.60pを5月21日に終値で上抜けたことで、調整一巡感が強まりました。よって、5月17日の1040.58pが当面の底値となる見通しです。
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