3月13日 カブ知恵 モーニングミーティング議事録
10日の日経平均は前日比479.18円(1.67%)安の28143.97円と6日ぶりに大幅反落しました。5日移動平均線(10日現在28351.65円)を下回りました。一方、25日移動平均線(同27705.01円)、75日移動平均線(同27313.38円)、100日移動平均線(同27355.56円)、200日移動平均線(同27347.43円)全て上回っています。11日の大阪証券取引所における日経平均先物6月物の夜間取引終値は前日比330円安の27530円、高値は10日22時48分の28020円、安値は11日03時51分の27500円でした。10日の騰落レシオ(6日移動平均)は173.26%でした。新高値銘柄数は79、新安値銘柄数は8でした。また、MACD(12日-26日)は284.70、シグナル(9日)は178.25でした。ヒストグラム(=MACD -シグナル)は106.45でした。なお、ここ20日間のディストリビューションデー(株価指数が下落するときに取引高が前日より増大する日のことです。20日以内に5回あると暴落の兆しと言われています。)は3日です。ちなみに、当社の「天井確認10項目」のうち「4つ」(前日は7つ)が点灯している状況です。
10日のNYダウは4日続落し、前日比345.22ドル安の31909.64ドルでした。週間の下げ幅は1481.33ドルと、2022年6月中旬以来の大きさでした。ナスダック総合株価指数は続落し、同199.47ポイント安の11138.89ポイントでした。米連邦預金保険公社(FDIC)は10日、SVBファイナンシャル・グループ傘下のシリコンバレーバンクが経営破綻し事業を停止したと発表したことで、金融システム全体に波及することへの警戒感が強まり、金融株を中心に売りが膨らみました。なお、2月の米雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月に比べ31万1000人増と市場予想の22万5000人増を上回ったものの、失業率は3.6%と、市場予想の3.4%より悪化し、平均時給の伸び率が前月比0.2%となり、市場予想の0.4%に届きませんでした。これを受け、FRBが21~22日のFOMCで利上げ幅を再び0.5%に拡大する可能性が低下したとの見方が強まりました。
日経平均については、5日移動平均線自体が1日に上向きに転じました。本日以降、5日移動平均線が下向きに転じるためには、本日終値が3月6日の28237.78円を下回る必要があります。10日の日経平均ボラティリティー・インデックスは前日比0.05(0.28%)安の17.89でした。本日の日経平均のメインの想定レンジは10日終値28143.97円±400円程度です。
本日、25移動平均線が下向き転換するには、終値で2月3日の27509.46円を下回ることが必要です。9日の大幅安で5日移動平均線を下回りましたので、調整が本格化する見通しです。第1押し目メドは1月23日と1月24日とで空けた窓(26938.28円~27150.43円)埋め水準ですが、さらに深押しした場合の第2メドは1月20日と1月23日とで空けた窓(26553.53円~26788.76円)埋め水準を想定しています。
なお、25日移動平均線の向きが下降転換したら、下方向への警戒をより強めておきたいと考えていますが、10日現在、25日移動平均線は31日連続で上昇中です。このため、現時点では、「中期的な上昇トレンドの中での短期的な調整」との認識です。
前週後半から、米シリコンバレーバンク(SVB)の経営破綻を受けて、米国では、中堅銀行や地銀など金融株などの下げで投資家心理が大幅に悪化しています。銀行の破綻としては、2008年のリーマン・ショック時に破綻したワシントン・ミューチュアル以来の規模です。
ちなみに、イエレン米財務長官は、10日、複数の銀行を「非常に注意深く」監視しており、金融機関が財務上の損失を被っているのは「懸念事項」だと述べました。特定の金融機関の名前には言及しませんでしたが、第2、第3のSVBが出るのかもしれません。その一方で、イエレン米財務長官は10日、「銀行システムは依然として弾力的だ」と強調しています。イエレン長官はこの日、連邦準備制度と連邦預金保険公社(FDIC)、通貨監督庁(OCC)の幹部と会議を実施し、SVBを巡る状況を討議したと、米財務省が電子メールで声明を発表しました。以上のことから、市場の動揺はすぐには収まりそうもありませんが、SVBの破綻がリーマン・ショックのような金融システム全体の危機につながる可能性は現時点では低そうです。バンク・オブ・アメリカのエブラヒム・プーナワラ氏は、「個別行の特異事例が他行でも起きていると連想した投資家の売りは過剰反応だ」と指摘したそうです。今回の市場の反応の本質はこれだと思ってはいます。
最後に、植田新体制になっても、決定会合でのYCC修正リスク・撤廃リスクは常に警戒される可能性が高いので、4月27・28日、6月15・16日、7月27・28日、9月21・22日、10月30・31日、12月18・19日前後の日本株は、金融政策変更リスクを警戒して、相当不安定になるとみていましたが、YCCが修正され、国債利回りが1%まで上昇するならば、日銀に代わり、民間銀行や生命保険会社等の金融機関が強力な買い手になる見込みのため、我が国金融市場の混乱は回避される可能性が高く、過度に日銀の金融政策の変更に神経質になる必要はなさそうです。
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