6月1日 カブ知恵 モーニングミーティング議事録

<本日の注目銘柄>

アーレスティ(5852)

業績V字回復が注目ポイントです。2024年3月期通期連結業績については、売上高は1500億円(前期比6.4%増)、営業利益は22億円(前期は2300万円の利益)、経常利益は16億円(前期は9400万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純利益は11億円(前期は8400万円の損失)の見通しです。2024年3月期の1株当たりの配当は、第2四半期5.00円、期末10.00円、年間合計15.00円(前期は第2四半期5.00円、期末5.00円、年間合計10.00円)と、5円増配の予定。

 

足元の同社グループ業績は、2023年3月期の後半から漸く回復基調となり、2023年3月期は当期損益が赤字ながら営業損益と経常損益は3期ぶりに黒字となりました。過去3年間は、新型コロナの感染拡大、自動車向け半導体不足による主要顧客の減産、エネルギー価格高騰など、特に厳しい事業環境であり、同社はグループ一丸となってこの長い難局を乗り越えることに注力してきました。その結果、生産性改善活動、製品価格是正活動や新規顧客からの電動車向け製品受注等で成果が出始めている状況です。

 

ちなみに、2023年3月期の現金及び現金同等物期末残高は129.91億円、自己資本比率は41.2%、1株当たり純資産は2180.28円です。同社取締役会は、ここ数年の業績悪化とその結果としての株価低迷及び株価純資産倍率 1 倍割れの現状を真摯に受けとめています。こうした株価の低迷から脱却するために、同社グループとしては、自動車業界で急速に進行する電動化を、ダイカストの需要拡大と新規顧客への参入機会増加に繋がる、新たな成長のチャンスであると受け止め、「10 年ビジネスプラン」をグループ一丸となって推進しているところです。

<本日の監視銘柄群>

enish(3667)、ジオコード(7357)、ダントーホールディングス(5337)、HEROZ(4382)、ルネサスエレクトロニクス(6723)

 

<前日の東京株式市場>

5月31日の日経平均は前日比440.28円(1.41%)安の30887.88円と5日ぶりに大幅に反落しました。5日移動平均線(31日現在31033.40円)を下回りました。一方、25日移動平均線(同29835.79円)、75日移動平均線(同28468.62円)、100日移動平均線(同28059.10円)、200日移動平均線(同27816.09円)全て上回っています。6月1日の大阪証券取引所における日経平均先物6月物の夜間取引終値は前日比90円安の30760円、高値は5月31日18時09分の30980円、安値は6月1日00時32分の30640円でした。5月31日の騰落レシオ(6日移動平均)は53.54%でした。新高値銘柄数は38、新安値銘柄数は167でした。また、MACD(12日-26日)は678.57、シグナル(9日)は669.40でした。ヒストグラム(=MACD -シグナル)は9.17でした。なお、ここ20日間のディストリビューションデー(株価指数が下落するときに取引高が前日より増大する日のことです。20日以内に5回あると暴落の兆しと言われています。)は3日です。ちなみに、当社の「天井確認10項目」のうちが1つ(前日は2つ)、「大底確認10項目」のうちが2つ(前日はゼロ)が点灯している状況です。

 

<前日の米国金融市場>

5月31日のNYダウは続落し、前日比134.51ドル安の32908.27ドルでした。ナスダック総合株価指数は4日ぶりに反落し、同82.14ポイント安の12935.29ポイントでした。債務上限を巡る合意案の下院での採決を31日夜に控え、様子見気分が強かったようです。FRBのジェファーソン理事が31日、「次回のFOMCで政策金利を据え置くと決めたとしても、今回の利上げ局面で政策金利がピークに達したと解釈されるべきではない」との認識を示したため、金融引き締めが継続し、米国の景気が冷え込むとの懸念も強まりました。

 

<本日の東京株式市場の見通し>

5月31日の米国株式相場が軟調だったため、本日の日本株の上値は重そうです。また、外国為替市場で「円安」が一服しているため、主力の輸出関連株の上値も重そうです。このため、本日は、終日利食い売り優勢の展開を想定します。ただし、押せば、担がれている売り方の買い戻しが入る見込みのため、底堅い相場は続くとはみています。米政府の債務上限を2025年1月まで「棚上げ」する法案について、下院本会議で31日(日本時間1日)に採決するとのことです。本会議で可決するために、下院の多数派を占める共和党と民主党が協力する必要があります。これは相場の攪乱要因です。

 

<日経平均テクニカル分析>

日経平均については、5日移動平均線自体が4月28日に上向きに転じました。本日以降、5日移動平均線が下向きに転じるためには、本日終値が5月25日の30801.13円を下回る必要があります。本日、下向きに転じるかもしれません。

 

4月17日から5月31日まで、25日移動平均線が、30日連続で上昇しています。本日、25移動平均線が下向き転換するには、終値で4月24日の28593.52円を下回ることが必要です。こちらも、下向きに転じる可能性は低そうです。

 

ちなみに、5月31日に、「日経平均が5日移動平均線を下回ったものの、5日移動平均線自体は上向き」に変化しました。今後は、「日経平均が5日移動平均線を下回り、且つ、5日移動平均線自体が下向き」の状況に変化するようならば、調整局面入りするとみています。

 

5月31日の東証グロース市場指数は前日比0.23p(0.02%)高の951.61pでした。5日移動平均線(31日現在940.27p)と25日移動平均線(同948.94p)を上回っています。一方、75日移動平均線(同960.05p)は下回っています。5日移動平均線は、5月31日に上昇に転じました。本日、下向きに転じるには、5月25日の939.44pを下回る必要があります。25日移動平均線は5月23日から7日連続で下降しています。本日上向きに転じるには、4月24日の958.23pを上回る必要があります。そして、75日移動平均線は、5月12日から14日連続で下降しています。本日上向きに転じるには、2月9日の1008.61pを上回る必要があります。

 

今後、「東証グロース市場指数が5日移動平均線を上回り、且つ、5日移動平均線が上向き」に転じるようならば、短期的なリバウンド狙いのグロース市場への資金流入が期待できるとみていましたが、相場環境を総合的に考慮すると、25日移動平均線が安定的に上昇しないと、短期資金の流入は厳しいと、リバウンド発生のハードルを上げておきたいと思います。

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