当面の相場見通し/底入れの条件がほぼ出揃う、リバウンド想定

12日の日米欧の株式市場を終了し、日経平均は12日のザラ場中の安値14865.77円で当面の底入れとなる可能性が非常に高いとみています。なぜならば、大底特有の状況証拠が相次ぎ、また、市場の不安を和らげる好材料も出始めている上、バリュエーション的にも魅力的なレベルまで下がったと考えるからです。もちろん、まだまだ予断の許せる状況ではなく、目先不安定な相場を想定する必要はあります。しかし、ロスカットラインを14865.77円割れに設定した、リバウンド狙いは十分可能な状況になったとみています。

 

まず、12日の一部大手ネット証券の信用買い方の評価損益率がマイナス25.918%にまで拡大しました。また、市場関係者へのヒアリングベースでの追証発生件数は、会社によっては2011年の3.11を超え、2008年のリーマン・ショックに次ぐ件数に上ったと推計されています。追証絡みの投げ売りが加速し、買い残の整理が一気に進んだとみてよさそうです。追証絡みの値段構わずの投げ売りがピークアウトすれば、相場の下落圧力は相当緩和されるはずです。

 

次に、今週の相場急落の主因は、ドイツ銀行の信用不安に端を発した欧州の金融システム不安でした。これが日米欧の銀行株売りという形で市場の不安を高めました。しかし、ドイツ銀行は12日、自らが発行した総計で6000億円規模のユーロ建てとドル建て債券を買い戻すと発表しました。確かに、今回市場で問題視された高リスクの偶発転換社債(CoCo債)は対象外です。また、過去の金融商品の不正取引に伴う巨額な訴訟コストは16年決算でも重荷となる見通しです。ですが、今回の措置により、市場で著しく高まった不安がいったん収束する可能性が出たとみてよいでしょう。

 

また、12日時点の日経平均のPBRは0.99倍、予想PERは12.97倍、予想配当利回りは1.95%です。バリュエーション的に、どの数値も魅力的なレベルに達したとの認識です。もちろん、市場心理が一段と悲観に傾けば、バリュエーションは無視され、更なる日経平均の下落もあり得ます。しかし、投資マインドが改善されれば、12日の日経平均終値14952.61円をベースとした各種数値は、どれも長期スタンスで株を買うのは妥当、且つ、割安水準といえるでしょう。

 

そして、ここにきて、政策当局の動きが慌ただしくなったきました。実は、これが一番重要な変化です。12日、黒田日銀総裁が首相官邸を訪れ、安倍首相との「定例の意見交換」を突然開始、同じタイミングで、為替介入の決定にかかわる財務省の浅川財務官が官邸入りしたと伝わっています。確かに、会談後、黒田総裁が「(首相から)金融政策への要望は特になかった」と説明したことで、期待が失望に変わりましたが、その言葉を額面通りに受け取る必要はないでしょう。また、麻生太郎財務相は「伝家の宝刀」の為替介入についても、「必要に応じて適切に対応していく」と話しています。

 

さらに、今月下旬に上海で開くG20財務相・中央銀行総裁会議では、中国を念頭に、新興国を巡る資金の動きを議題に取り上げる方向だそうです。議題として取り上げられ、その後、G20が政策協調ができるかは不透明です。しかしながら、そのような動きが顕在化したことはポジティブです。なぜなら、中国経済が安定するメリットは日本株にとって、非常に大きいと考えられるからです。

 

以上のことから、12日のザラ場中の安値14865.77円が当面の底値になる得るとみています。なお、相場が落ち着くためには、日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)が急低下してこないといけません。12日のVIは49.84と、2012年1月30日にリアルタイムでの算出が始まって以来で最高となりました。VIは高いほど、投資家が今後、相場が大きく変動すると見込んでいることを意味します。このため、今後、VIが急低下し、少なくとも30を割り込むレベルで落ち着けば、投資家のパニック状態は解消したとみることが可能です。逆に、これが高止まりするようだと、14865.77円が当面の底値にならない確度も高止まりするため、注意が必要です。

 

また、リバウンド加速には5日移動平均線(12日現在16115.06円)を上抜けることが必要です。同線で撥ね返されるようだと、上値が重いとのムードが強まり、再び底値模索の動きになる見通しです。逆に言えば、いったんリバウンドに入れば、少なくとも同線の攻防は期待できる(同線付近までの戻りはある)と考えます。また、5日移動平均線を明確に上抜ければ次は25日移動平均線(同16966.19円)の攻防が見込まれます。しかし、25日移動平均線を安定的に上回って推移するためには、大幅な投資環境の改善が必要でしょう。

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