MOF(金属有機構造体)関連銘柄

地球温暖化やエネルギー問題の解決の糸口をつかんだ京都大学の北川進特別教授に、2025年10月8日、ノーベル化学賞が贈られることが決まりました。狙った物質を内部にとじ込められる「金属有機構造体(MOF)」の研究が、脱炭素や有害物の除去など幅広い産業の発展に寄与することが評価されました。工場で出る排ガスや空気が含むCO2を分離・回収できれば、温暖化ガス排出を大幅に減らせます。ただ、現在の手法はコストが課題となっています。MOFは製造が簡単なうえ、目的の物質が内部の微細な穴に入り込むように設計できるため、低コストで効率的に分離・回収が可能になるとされます。そこで、MOF関連の主要銘柄をピックアップします。

コード 銘柄名 材 料
4004 レゾナック 2009年から6年間、北川氏をプロジェクトリーダーとするNEDO研究委託事業のグリーン・サステイナブルケミカルプロセス基盤技術開発では、「気体原料の高効率利用技術の開発」をテーマに、日本発の新しい機能性材料「多孔性金属錯体」の実用化を目指した研究開発に取り組んだ。現在も実用化を目指した共同研究を継続。
9532 大阪ガス 1994年から約10年間にわたって北川氏と共同研究し、金属有機構造体(MOF)にガスが吸着することなどを確認した。大ガスは現在、大気中からCO2を直接回収する「ダイレクト・エア・キャプチャー(DAC)」の吸着剤にMOFを応用する研究などを進めている。
6326 クボタ 北川氏が科学顧問を務める京大発スタートアップのAtomis(アトミス)は、2024年にインドネシアでガスを効率よく圧縮保管できる容器を使った実証実験に乗り出した。アトミスへ出資するクボタは「ノーベル賞を受賞されたことは喜ばしい。今後もアトミスとさまざまな検討や連携をしっかりしていきたい」とコメント。
268A リガク・ホールディングス 川上潤最高経営責任者(CEO)は「日本発の材料科学研究が世界に認められたことを誇りに思う。今回の受賞は、構造を解き明かす技術の重要性を改めて示すものだ」とコメントした。同社は北川氏の研究室に長年にわたって解析装置を提供してきた。
5706 三井金属鋼業 三井金属のMOF事業は、コーポレートベンチャーキャピタルを活用した、スタートアップ「Atomis(アトミス)」との出会いによって始まった。Atomisと“キャッチボール”をしながら量産化へ向けた研究・開発を進め、主要な事業に育成していこうとしている。アトミスは、京都大学発のスタートアップであり、MOF/PCPの研究開発をしている。
4410 ハリマ化成グループ 北川氏の「厳しい状況でも、新しい領域の開拓に挑戦を  材料科学の分野にブレークスルーをもたらした多孔性配位高分子の開発者が今、新たな研究領域の開拓に挑む。」と題したレポートを、ハリマ化成グループのHPに掲載。
9536 西部ガスホールディングス 西部ガスグループ会社のSGインキュベート株式会社が株式会社Atomis(アトミス)パートナーズ企業。アトミスは京都大学の北川進特別教授の研究を基盤とする、PCP/MOFをはじめとした次世代多孔性材料に特化したスタートアップ企業。
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