カジノ関連銘柄
法案に振り回されるカジノ関連銘柄
2016年8月現在、未だカジノ法案の成立には至っていない。
これまで何度もカジノ法案が国会に提出され、その度にカジノ関連銘柄が全面高となったが、成立が見送られると共に株価は元に戻っている。
今年こそはカジノ法案が成立し、各カジノ関連銘柄が安定軌道に乗るのではないかと期待、注目されている。
法案提出の度に振り回され、状況も徐々に変化してきたカジノ関連銘柄。2016年の最新版関連銘柄と最新情報を調べてみた。
カジノ関連銘柄一覧
コード | 銘柄名 | 企業情報・業務内容 |
3625 | テックファームホールディングス | 企業向け業務システムのソフトウエア開発が主力事業。IoT向けシステムや自動車向けシステムなども開発しており、様々なテーマとも密接に関連している。カジノの決済システムだけでなく、ホール管理システムなどにも強み。カジノ関連銘柄の対抗。 |
6428 | オーイズミ | パチスロ用のメダル貸機、補給回収システムなどが主力。スロットマシーンの実機も展開。既存の機器にも搭載されている紙幣識別システム、ホールデータ管理システムなどがカジノにも応用できるだろうと期待される。 |
6418 | 日本金銭機械 | 紙幣識別機や硬貨計数機等の貨幣処理機大手。アメリカのカジノでも一定のシェアを誇っており、日本でもカジノが解禁されれば同社の機器が導入されることはほぼ間違いないだろう。カジノ関連銘柄の本命と言える。 |
7991 | マミヤ・オーピー | 紙幣搬送システム、紙幣識別機などパチンコホール向け機器が主力。カジノでも同様に紙幣識別機、搬送システムの需要は高く、同社のような中堅企業の製品が採用となれば業績への影響は大きい。カジノ関連銘柄の大穴。 |
6457 | グローリー | 通貨処理機、つり銭機、両替機、カードシステム機、セキュリティー機器などカジノ運営に欠かせない管理システム、管理機器を多数取り扱う。 |
9766 | コナミホールディングス | 北米、豪州をはじめ、世界各地の主要カジノ市場でゲーミングライセンスを取得し、ゲーミング&システム事業をグローバルに展開している。既にシンガポールやラスベガスといったカジノ先進地域にゲームマシンを提供しており、世界的にも有名なカジノ関連銘柄と言える。また、カジノオペレーター向け支援システム『SYNKROS(シンクロス)』の提供、管理も行う。 |
2767 | フィールズ | パチスロ機を開発を行う。日本でもカジノ解禁となればカジノ向け遊技機の開発に乗り出すだろうとの思惑で関連銘柄入り。 |
6425 | ユニバーサルエンターテインメント | 前社名のアルゼ株式会社時代からカジノ向けマシンの開発を行う。海外のカジノではアルゼブランドはメジャーであり、世界的にもカジノ関連銘柄と言える。フィリピンでのカジノリゾート開発計画を目指しているが、こちらは何かと問題が発覚し進捗は厳しい。 |
6460 | セガサミーホールディングス | パチスロ最大手のサミー、ゲームアミューズメント大手のセガが傘下。ユニバーサル(6425)とは合併会社を設立し、コナミ(9766)とは電子マネーを共同開発するなど、他カジノ関連銘柄との連携にも注力。日本でのカジノ解禁前、一足早く韓国カジノ最大手「パラダイスグループ」と合弁会社を設立し、韓国初となる統合型リゾート「パラダイスシティ」をオープン予定。 |
1418 | インターライフホールディングス | パチンコホールの内装、照明工事などを手掛ける。カジノなどのアミューズメントホールの内装工事、清掃メンテナンスを得意とする。 |
7612 | コモンウェルス・エンターテインメント | パチンコ・パチスロ向けコンテンツ仲介事業を行う。既存事業のノウハウがカジノ事業にも応用可能ではと見られ関連銘柄入り。 |
4712 | アドアーズ | 賭博性の無いゲーム性メインのカジノ「アミューズメントカジノ」を展開する。換金できないという点を除けばゲーム性は実際のカジノと同様のものを提供しており、カジノ解禁となればそのまま事業化することも不可能ではない。 |
6419 | マースエンジニアリング | 紙幣搬送システム、各台計数機などパチンコホール向け機器を扱う。ホール管理システムなども手掛けており、同社機器もカジノ施設への流用、応用が可能。 |
カジノ関連銘柄の本命(6418)日本金銭機械
既に海外のカジノでも同社の製品が実用化されているということもあり、会社の規模と実績面から見てもカジノ関連銘柄の本命と言っていいだろう。
カジン関連銘柄の対抗(3625)テックファーム
カジノ関連銘柄が最初に話題となった2013年ごろはまだ同銘柄は関連銘柄として注目はされていなかった。翌年2014年、再びカジノ関連銘柄が話題となった際に関連銘柄入りし、株価4倍の急騰を披露。その後もカジノの話題が出る度に真っ先に強い動きを見せている。
カジノ関連銘柄の大穴(7991)マミヤ・オーピー
紙幣搬送機器、紙幣識別機器を扱っているが同業他社と比べシェアは低く、カジノ解禁となった際に同社製品が採用されれば業績への影響は大きい。
日本でのカジノ解禁によるメリットとデメリット
これまで何度も法案が提出されてきたが、その度に成立には至っておらず未だ議論が続いているカジノ法案。日本でのカジノ解禁にはメリットデメリットがあり、そこで推進派と反対派の意見が折り合っていないのが現状だ。
カジノ関連銘柄の今後を考える上でもカジノ解禁によるメリットとデメリットは知っておく必要があるだろう。
カジノ解禁のメリット
日本でのカジノ解禁で期待されるメリットはこちら
税収増加が見込める
「日本のカジノは公営にすれば税収が増える」と言われているが、公営でなくとも一定の税収増加が見込める。マカオやベガスといったカジノで成功している地域も全て民営カジノだが国や地域の税収増には貢献している。
観光客の増加が見込める
カジノで観光客増加に成功している地域は複数ある。マカオ、シンガポールなど、カジノを含めた複合レジャー施設は観光客にも人気のスポットとなっており、日本もそういった「カジノリゾート」を目指すとしている。
雇用が増える
カジノは大型複合レジャー施設の一角となる為、一定の雇用増加が期待できる。日本各地でカジノの建設が進めば地域の活性化にも繋がる。
違法賭博を減らすことができる
都市部の繁華街などではマンションや雑居ビルを利用した違法賭博場が複数あるのではないかと推測されている。こういった違法賭博は反社会勢力の収入源ともなっており、カジノを合法化することで違法賭博の減少に繋がるのではないかとの見方もある。
カジノ解禁のデメリット
日本でのカジノ解禁で懸念されるデメリットはこちら
ギャンブル依存症の増加
現在もパチンコ、パチスロなどでギャンブル依存症が問題視され、当局は規制を強めている。そういった状況下でカジノを解禁するということはこれまでの取り組みが無になってしまう可能性がある。
カジノ推進派、反対派の双方から「日本人の利用制限」「日本人からは高額の入場料を徴収する」といったギャンブル依存症への対策案が出されている。
治安の悪化
他国のカジノは24時間営業が一般的となっている。深夜に多くの人達が集まれば治安の悪化は避けられないと考えて当たり前だろう。また、日本では「ギャンブルをやる人=ガラの悪い人」というイメージが先行していることも懸念が生まれる要因となっているかもしれない。
日本の行政や企業にノウハウがない
カジノが解禁されていないので当たり前の話だが、日本にはカジノを運営できるノウハウがない。行政は勿論、カジノ関連銘柄として挙げた企業も運営実績がなく、建設にはアメリカなどの大手カジノ企業に主導権を渡さざるを得ない。
従って「日本のカジノは公営が良い」という意見は非現実的であり、外資系企業が主導となれば期待するほどの税収増や景気回復に結びつかない可能性もある。
日本のカジノ解禁による経済効果は?
2013年夏にシティグループが発表した試算によれば、日本がカジノを解禁した場合、年間収益は最大で1兆5000億円規模に達すると予想した。
これは東京、大阪などの主要都市は勿論、日本全国にカジノが建設された場合の数字であり、また、当時とはあらゆる面で状況が異なる為、今は違う試算が出るかもしれない。
東京五輪には間に合わない点、中国経済の減退など、ネガティブな材料が増えてしまい、大幅な下方修正が出ると考えられる。ただ、それでも莫大な経済効果が見込めることは間違いないだろう。
世界のカジノ収益ランキング
おおよその数値となってしまうが世界のカジノ収益ランキングを調べてみた。
1位 マカオ 年間収益約3兆5000億円
2位 ラスベガス 年間収益約6500億円
3位 シンガポール 年間収益約6000億円
4位 フィリピン 年間収益約3000億円
5位以下は拮抗している状況。もしも日本のカジノ収益がシティグループの試算通りとなればマカオに次ぐ世界2位にランクインする可能性もある。
こういった試算、見通しを考えればカジノ関連銘柄はまだまだ上昇余地を残していると言っても過言ではないだろう。
日本のカジノ建設候補地
北海道の小樽、釧路、宮城県の仙台、千葉県の成田空港近辺、東京都のお台場、築地跡地、神奈川県の横浜、大阪の湾岸地区、福岡県の都市部、長崎県のハウステンボス、宮崎県のフェニックスシーガイア、沖縄の北部などが候補地として挙がっている。
この中でも特に可能性が高いのはお台場、横浜だと言われている。一定の利用者が見込めない地域では試験導入の意味を成さない為、最初にカジノが建設される地域は必然的に大都市となるはずだ。
また、日本におけるカジン建設は「カジノリゾート」となることがほぼほぼ決まっており、ホテルやショッピングモール、レジャー施設が併設された総合リゾート施設である必要があり、相応のスペースが確保できることも条件となる。
お台場に土地を持つフジ・メディア・ホールディングス(4676)はお台場へのカジノ誘致に力を入れており、神奈川を地盤とする京浜急行電鉄(9006)とセガサミー(6460)は横浜誘致を推し進めている。
結局、カジノ法案通過はいつ頃になるのか?
法案提出→成立見送りを繰り返し、振り回されてきたカジノ関連銘柄。一体いつ、法案は成立するのか?そもそも廃案となってしまう可能性は全くないのか?
カジノには記述したように多数のメリットが存在する。一方で反対派が挙げるようにデメリットも同程度存在することも確かだ。ただ、現状は法案成立が見送られながらも改善策もしっかりと出されており、成立へ向けた歩み寄りが進んでいると言える。
ここまで議論が重ねられてきたということもあり、廃案という可能性はかなり低くなってきていると言っていいだろう。あとは成立がいつになるかという段階にあると言える。
予想としては2016年秋の法案通過、成立が濃厚だが、既に何度も期待を裏切られているので過信はできない。あくまでも年内目処と考えておくのが無難だろう。
タグ:カジノ
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