29日の海外動向と本日の相場見通し 米国株反発は好材料だが、円高が重し、日経の上値は重い
30日の大阪ナイトセッションの日経先物9月物は前日比190円高の22530円、高値は30日04時22分の22540円、安値は29日16時30分の22380円でした。29日のNYダウは反発、前日比160.29ドル高の26539.57ドルでした。ナスダック総合株価指数も反発、同140.85ポイント高の10542.94ポイントでした。FRBは29日のFOMCで、ゼロ金利政策と国債など資産購入の維持を決めました。また、パウエル議長は記者会見で「できるだけ限りの手段を活用して経済を支える」と強調しました。これが好感されました。NY原油先物相場は反発、WTI期近の9月物は前日比0.23ドル高の1バレル41.27ドルでした。NY金先物相場は9日続伸、8月物は前日比8.8ドル高の1トロイオンス1953.4ドルでした。NY円相場は5日続伸、前日比20銭円高・ドル安の1ドル=104円85~95銭でした。一時は104円77銭と約4カ月半ぶりの円高水準を付けました。
29日のVIX指数は前日比1.34(5.27%)安の24.10でした。また、VIX3Mは同0.81(2.69%)安の29.29で、VIX/VIX3Mレシオは同0.02(2.65%)安の0.82と、依然として1を下回っているので米株式相場は良好です。一方、29日の日本では、プット・コールレシオは4873.47と前日の4873.24とほぼ横ばいでした。(なお、同レシオの7月9日から16日まで、また、7月22日以降の異常値(過去にない値)とも思える数値は、計算上は正しい数値だということです。プット・コールレシオの算出元の1つである国内個別株を対象とするeワラントの取引が停止となっていることや、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中で市場のボラティリティが高まっていたことなどの要因から、プット・コールレシオは大きくブレやすいやすい状況となっていたということです。)新高値銘柄数は40、新安値銘柄数は37、東証1部の騰落レシオ(25日平均)は81.33と前日の85.35からやや低下しています。同レシオは7月15日まで6日連続で70%台となっていましたが、16、17日と2日連続で80%台になり、20日には90%台を回復しましたが、21日から再び80%台で推移しています。
なお、日経平均に関しては、日足ベースの一目均衡表では基準線は29日現在「水平」です。一方、転換線は前日の「水平」から「下向き」に転換しました。遅行スパンは26日前よりも下に潜り込み「逆転」しました。ただし、引き続き雲の上で推移しています。また、先行スパンのクロスは、現在は確認できませんが、直近では6月18日にクロスしたままです。また、29日現在のMACD(12日-26日)は137.22と前日の172.30から低下、シグナル(9日)は193.32と前日の199.08からやや低下、ヒストグラム(=MACD -シグナル)はマイナス56.09と前日のマイナス26.78から低下し、「売り」継続です。
米国株の反発は好材料ですが、円高基調のため、日経平均の上値は重そうです。日経平均の想定レンジは22500円±200円程度です。確かに、米国では低金利状態が長期化するとの見方が広がり、株式市場の急落リスクは低下しています。しかしながら、国内では本格化する2020年4~6月期の決算発表では、新型コロナウイルスによる業績低迷が確認された個別銘柄の急落が散見されています。このため、日経平均など株価指数の上値はやはり限定されるでしょう。
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