10日の海外動向と本日の相場見通し バリュー買い+グロース売りで、日経平均は膠着

11日の大阪ナイトセッションの日経平均先物3月物は前日比170円高の29150円、高値は11日00時07分の29200円、安値は10日17時05分の28970円でした。10日のNYダウは4日続伸、前日比464.28ドル高の32297.02ドルと、2週間ぶりに過去最高値を更新し、初めて終値で32000ドル台に乗せました。一方、ナスダック総合株価指数は小幅反落、同4.993ポイント安の13068.832ポイントでした。NY原油先物相場は3日ぶりに反発、WTI期近の4月物は前日比0.43ドル高の1バレル64.44ドルでした。NY金先物相場は続伸、4月物は前日比4.9ドル高の1トロイオンス1721.8ドルでした。NY円相場は続伸、前日比10銭円高・ドル安の1ドル=108円35~45銭でした。

 

10日のVIX指数は前日比1.47(6.12%)安の22.56でした。また、VIX3Mは同0.60(2.20%)安の26.68で、VIX/VIX3Mレシオは同0.04(4.01%)安の0.85と、1を下回っているため、「リスクパリティ型ファンド」からの暴力的な売りを警戒する必要性が大幅に低下しています。Skew指数(スキュー指数、別名「ブラックスワン指数」)は、前日比4.12(3.06%)高の138.57でした。

 

10日の日本では、プット・コールレシオは0.50と前日の0.54から低下しました。東証1部の騰落レシオ(25日移動平均)は118.85と前日の123.18から低下しました。新高値銘柄数は63、新安値銘柄数は0でした。

 

なお、日経平均に関しては、日足ベースの一目均衡表では基準線は10日現在「水平」から「上向き」に転換しました。転換線は「水平」から「下向き」に転換しました。転換線と基準線は「好転」から「逆転」に転換しました。遅行スパンは26日前の日足よりも上に浮上したままで、「好転」継続です。引き続き雲の上で推移しています。また、先行スパンのクロスは、現在は確認できません。先行スパン2は「水平」から「上向き」に転換しました。また、10日現在のMACD(12日-26日)は69386、シグナル(9日)は263.67、ヒストグラム(=MACD -シグナル)はマイナス193.82で、「売り」継続です。(売り転換は2月24日でした。)なお、ここ20日間のディストリビューションデー(株価指数が下落するときに取引高が前日より増大する日のことです。20日以内に5回あると暴落の兆しと言われています。)は8日です。

 

10日の米10年物国債利回りは前日比変わらずの1.52%でした。10年物国債入札は、落札利回りが入札締め切り直前の市場実勢を小幅に上回り、「やや低調」な結果となったものの、需要が落ち込んだ2月末の7年物国債入札に比べると「悪くない結果」と受け止められたそうです。また、10日発表の2月のCPIは前月比0.4%上昇し、エネルギー・食品を除くコア指数は0.1%の上昇と、ともに市場予想と一致したし、現時点での物価の落ち着きが確認されました。この米長期金利上昇一服は日米株式市場にポジティブです。ただし、高止まりしているため、「シクリカルバリュー買い+グロース売り」の物色傾向に変化はないでしょう。この結果、日経平均に関しては、膠着する見通しです。想定レンジは29100円±400円程度です。テクニカル的には、25日移動平均線(10日現在29416.01円)を終値で超えることは難しいとみています。逆に、5日移動平均線(同28920.43円)を上回っている限り、下値不安が強まることはないでしょう。いずれにせよ、現在は「調整局面」と認識しています。

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