当面の日経平均は最大で15960.90円までの下落を覚悟
週末15日の米国株式市場が大荒れだったため、週明けの東京株式市場も波乱のスタートを余儀なくされる見通しです。世界的な株安の主因は原油安です。原油安で産油国の財政が逼迫し、その穴埋めでオイルマネーが株式市場から流出していると観測されます。また、そのマネーフローに乗じて収益獲得を目指すヘッジファンドの原油先物の売りも当然あるでしょう。一方、原油安の主因は中国経済失速に伴う原油需要低迷観測に加え、サウジアラビアがシェア確保を優先しているため、産油国の減産が見込めないことです。このため、原油余剰状態が当面続く見通しです。
一方、国内では、日銀の追加の金融緩和実施への期待が大幅に低下しています。世界的な株安、原油価格を中心にした資源安を受け、期待インフレ率が低下しています。実際、昨年12月の輸入物価指数は、円換算で前年同月比18.5%の下落と、6年2カ月ぶりの落ち込みでした。当然のことながら、これは原油安が主因で、これが食料品や飼料などの価格も押し下げています。日銀はこれまでも、2%のインフレ目標を掲げて巨額の国債購入などの積極的なリフレ策を行っており、これが実質金利低下と円安を実現させてきました。しかし、足元では、日本の期待インフレ率が低下したため、日米実質金利差が縮小し、外国為替市場ではドル安・円高トレンドが発生しています。これも日本株下落の主因のひとつです。
以上のことから、日本株が底を打つため外部要因は、(1)原油安に歯止めが掛かる、(2)原油安でも、オイルマネーの株式市場からの流出が止まる、(3)米国の景気指標が良好になり、米国の利上げピッチ加速期待が高まり、日米金利差が拡大しドル高になる、(4)中国の景気指標が改善し世界的な景気減速懸念が弱まる、などです。また、内部要因は、日銀による追加の金融緩和くらいしか見当たりません。このため、1月28~29日に開催する金融政策決定会合で、追加緩和を打ち出すか否かは非常に重要です。
テクニカル的には、昨年のチャイナ・ショックで付けた9月29日の16901.49円が非常に重要な価格でした。しかしながら、15日のシカゴ日経平均先物3月物は15日の大証比355円安の16795円でした。安値は16575円です。このため週明け18日の日経平均は16901.49円を割り込む見通しです。下値メドとしては昨年1月16日の安値16592.57円や、心理的節目の16000円、そして、15960.90円が挙げられます。15960.90円は、昨年6月24日の高値20952.71円から昨年9月29日の安値16901.49円までの下げ幅を、昨年12月2日の20012.12円にリプレイスして求めました。
また、底打ち転換の日柄的には、政策決定会合のある1月28~29日や、2月3日を想定しています。2月3日は昨年9月29日から12月1日までの立会日数42日間を12月1日を起点に計算しました。
以上のことから、テクニカル的には、当面の日経平均は、最大で15960.90円付近まで下落する。また、底打ち転換は、1月28~29日前後、または、2月3日前後を想定します。
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