マイナス金利メリット銘柄(マイナス金利関連銘柄)

日銀会合にてマイナス金利の導入決定

金融緩和

2016年1月29日(金)日銀会合にて追加の金融緩和策「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」が導入された。黒田バズーカ第3弾と言ってもいいサプライズ政策であり、市場が予期していたことではなかった為、日経平均先物は後場寄り付き前から大きく動き始めた。当日の日経平均株価は高値17,638.93円、安値16,767.09円と乱高下し、結局は+476.85円の終値17,518.30円となった。

既にECBや欧州の一部地域で導入されているマイナス金利、民間銀行にとっては苦しい政策である一方、市場に資金が流れる可能性が高く、不動産や証券、ノンバンクなどのその他金融業にとってはメリットになると見られ、今後はマイナス金利メリット銘柄(マイナス金利関連銘柄)が注目を集めることとなりそうだ。

マイナス金利メリット銘柄(マイナス金利関連銘柄)一覧

コード 銘柄名 企業情報・業務内容
3236 プロパスト その他関係会社であるシノケングループと、業務提携契約に基づき不動産情報を共有する中で、共同で民泊プロジェクトの立ち上げを行い、シノケングループの連結子会社である株式会社小川建設の技術力を最大限に活用するなど、法令に適合した物件を対象に、同社のデザイン力や企画力を活かした付加価値の高い、バリューアップ業務を推進している。
8925 アルデプロ 同社のビジネスモデルは、仕入交渉段階から売却出口を固めたうえで、権利調整やバリューアップ、リースアップを行い販売に至るというもの。一般個人顧客に中古マンションを販売する場合、賃貸住宅に居住している客を中心に営業を行っている。主に区分の中古マンションは一次取得者に、また投資用収益物件は法人及び個人を対象に提供。販売物件の価格、戸数、収益用物件の場合は稼働率や受取賃料等を総合的に勘案して営業戦略を立案。不動産プロジェクトにおける不動産取得費は、主に金融機関からの借入金によって調達。
3464 プロパティエージェント 東京23区及び横浜地区における資産運用型不動産の開発事業及び販売事業を展開する不動産開発販売事業のほか、資産運用型不動産にかかる賃貸管理サービス、賃貸仲介サービス及び建物管理サービスを提供するプロパティマネジメント事業に取り組んでいる。
3300 AMBITION 顧客(不動産所有者)から家賃保証付きで借上げた物件を一般消費者に賃貸する事業(サブリース)、不動産物件保有者の入居者募集代理業務や入退室時の原状回復業務等を行っている。 賃貸仲介力を生かし、高入居率を維持することで、より高い保証家賃の設定を実現するとともに、独立系の「サブリース業者」として、自社で賃貸仲介事業部を保有していない「投資用不動産販売会社」に対して営業活動を行っている。また、首都圏に13店舗の営業店舗を展開し、自社物件に加え、他社が管理する物件を紹介し、賃貸物件の仲介・斡旋および付随する引っ越し業者の斡旋を行っている。そして、「築年数が古い」「入居者がいない」などの理由で不動産価値が適正に評価されていない住居用不動産を取得し、適正な評価価値へ戻すための「バリューアップ(内装工事や賃貸付け)」を行った上で、適正価格にて販売する事業も。
3266 ファンドクリエーションGP グループの強みを最大限に活かし、ファンドの運用資産残高、不動産等受託資産残高の積み上げに努めている。太陽光発電ファンド事業においては、優良案件の発掘・開発を進め、同時に太陽光発電ファンドの開発・組成化も進め、ファンド運用資産の積み上げを行うことによりアセットマネジメントフィーを計上。また、注力している富裕層をターゲットにした新たな販売ルートの開拓・強化にも引き続き努めている。インベストメントバンク事業については、太陽光発電設備等のみならず、割安な不動産物件の投資・バリューアップによる売却収益を積極的に進め収益拡大に尽力。
1435 インベスターズクラウド 「ネット×リアルの新しいサービスを」という経営理念を掲げ、自社開発したアパート経営プラットフォーム「TATERU」の運営を通じて、土地情報の提供から、デザインアパートの企画、施工、賃貸管理まで、ワンストップサービスの提供を行っている。創業当時からSEO対策に力を入れたウェブサイトによる集客を行い、ITによってアパートを効率よく売ることができる独自の仕組みをつくりあげてき。
3250 エー・ディー・ワークス 他社にはないユニークなビジネスモデルが特長。投資意欲が旺盛な個人富裕層に特化し、収益不動産の仕入れからバリューアップ、販売などを手掛け、さまざまな不動産投資ソリューションを生涯にわたって提供。不動産の仕入れ・バリューアップから、不動産投資コンサルティングやオーナー様に代わって不動産経営を代行するプロパティ・マネジメントまでの一貫したサポートをワンストップで提供できるのが強み。
8890 レーサム 創業期に中古不勤産の再生による二次流通市場の開拓を進め、その後リゾートホテル、ゴルフ場、ノンバンク、サービサーと再生対象を広げ、飲食新業態インキュベーションにも挑戦してきた。そして、日本社会が抱える課題解決に資する事業分野に照準を合わせ事業企画と開発を進めてきた結果、その第一弾として『エンブレムホステル西新井』を開業。同社は、インバウンド需要や高度医療に関わる課題解決に資する「価値創出チャレンジ」シリーズを鋭意展開していく方針。
4321 ケネディクス 「ケネディクスは、自ら不動産を保有しません。グループで組成・運用するファンドが保有します。」というケネディクスモデルを明確にしている。同社は、その強みと考える「独立系」、「機動性」、「先進性」、「専門性」、「透明性」を以て、ケネディクスモデルで成長することを目指している。アセットマネジメント事業では、顧客投資家のニーズに応じて、中規模オフィスビル、賃貸住宅、生活密着型商業施設、ヘルスケア施設など、特徴あるファンド組成を手掛け、各資産クラスの特性に沿った専門的な運用により、透明性の高いアセットマネジメントを実現。
3289 東急不動産 東急不動産ホールディングスグループの中核企業として、都市事業、住宅事業、ウェルネス事業、海外事業などを展開する総合不動産企業。2013年に設立60周年を迎えた同社は、「第二創業期」としての自覚を強く持ち、実績に裏打ちされたデベロップメント力と安定した収益力で、グループの指針となる中長期経営計画「Value Frontier 2020」の主翼を担うべく、東京五輪が開催される2020年に向けて着実に地歩を固めていく方針。
8515 アイフル ローン事業及び信販事業を主な内容とし、信用保証事業及び債権管理回収事業等の事業活動を展開。今後においては、最大の経営課題である利息返還請求へ対応しつつ、新事業計画における弁済計画を着実に履行していく。このほか、引き続きグループ全体での事業効率の向上を図るとともに、優良債権の獲得による債権ポートフォリオの良質化や更なる新規成約件数の増加に努め、トップラインの増加を目指している。
8585 オリコ 主な事業内容は、「信販事業」であり、その他に債権管理回収業務や信販周辺業務など、顧客ニーズに応じた幅広いサービスを提供。みずほフィナンシャルグループとは、株式会社みずほ銀行との14年7月のリテール分野における包括業務提携以降も、アライアンスを最大限に活用し、リテール金融分野における相互の業容拡大に努めている。
8589 アプラス 業界で最も「質の高い」サービスを提供する信販会社を目指している。中期経営計画骨子は、顧客利使性、収益性、効率性を重視した、ショッピングクレジット(SP)、カード事業の展開、Tポイント機能を活用した顧客基盤の一層の拡充、ECマーケットを主体とした決済ソリューションの提供、住関連マーケットにおける金融ニーズヘのきめ紬かな対応、新生銀行グループ一体となった営業連携、新規事業の推進。
8622 水戸証券 関東一円を中心とした地域が営業エリア。2015年3月末現在、自己資本規制比率は586.2%、自己資本391億円に対し有利子負債は短期のみで27億円、また固定資産は186億円と安全性の高い経営体制を整えている。2次にわたる中期経営計画の推進により、株式収入に大きく依存していた収益構造は大きく転換し、より安定的な経営体質となった。
8613 丸三証券 創業以来、どの系列にも属さず「自主独立」を貫いている。14年3月期から連結配当性向を50%以上に引き上げ、株主還元方針を強化。資産管理型営業へ舵を切ったことで収益基盤が安定化した。また、株式信用取引に係る融資残高の減少から、株価急落時の評価損に対する返済資金を多額に備えておく必要性が薄れた。収益構造の一層の改善を図り、資本の効率化を進めている。
1808 長谷工コーポレーション 土地の情報収集にはじまり、企画、開発、設計、施工に至る独自のビジネスモデルで、首都圏および近畿圏を中心にマンション事業を展開。新築マンションに加え、管理やリフォーム・大規模修繕・建替え、中古仲介、賃貸、高齢者向け住宅など、今後はさらにグループ各社の連携を高め、総合力を発揮することでマンション住人の人生全体をサポートする新生長谷工への飛躍を目指している。
1814 大末建設 マンション建設を中心とする幅広いフィールドにおいて、高い施工品質と技術力・提案力で客のニーズに応える総合建設会社。分譲マンションの施工で業界2位の豊富な実績により培われたノウハウと客からの高い信頼がの強み。もちろん、総合建設会社として、オフィス、物流倉庫、工場、医療、冠婚葬祭等ジャンルを問わず数多くの建物を手掛けている。
7986 日本アイ・エス・ケイ 14年4月2日、キング工業から社名変更。業務用・家庭用耐火金庫、防盗金庫、コンピュータデータ保管庫、耐火ファイリングキャビネット等の製造及び販売 を手掛ける。自宅で現金等を管理する需要が高まるとの連想。
7997 くろがね工作所 オフィス家具の中企業。学習机やチェアが販売商品の中心となっているが金庫も取り扱っている。日銀によるマイナス金利導入により銀行の利率が引き下げられたことでホームセンターなどでは実際に金庫の売り上げが増加しているとの情報。本アイ・エス・ケイ(7986)と同じく自宅現金管理の需要を取り込む。

日銀のマイナス金利政策とは何か

マイナス金利

今回のマイナス金利政策とは、簡単に言えば民間銀行が日銀に預けている預金に0.1%の金利を課すというものになる。

みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行などのメガバンク3行は勿論、その他の民間銀行は日銀に当座預金の口座を持っており、従来であれば0.1%の利子を受け取ることができた。しかし、今後預け入れる分に関しては逆に0.1%の金利を取られる。マイナス金利はまさに読んで字の如くということだ。

これまで民間銀行は顧客から集めた資金を日銀に預けるだけで0.1%を安定して得ることができたが、マイナス金利政策を取り続ける間はこれができなくなる。金利を払ってまで日銀に預けるくらいならば企業や個人への貸付を積極的に行おうという流れを強制的に作り出し、市場へ資金を供給しようというのが日銀の狙いと言える。

これまで量的・質的金融緩和を行ってきた日銀がいよいよ新たなベクトル、マイナス金利政策という三次元の金融緩和策に取り組むこととなる。

黒田バズーカ第3弾。過去2度の黒田バズーカとその後。

黒田バズーカ

今回のマイナス金利政策はまさに黒田バズーカ第3弾と言っていいだろう。デフレ完全脱却の為、2%の物価上昇目標を掲げる日銀と政府。今回の黒田バズーカ3で今度こそ目標達成と成るか否か。マイナス金利導入はまさに「最後のカード」となる政策、原油安や中国経済の動向などの懸念はあるが、それでも今回こそはどうにかしなければ打つ手がなくなってしまう恐れもある。

始まりは2013年4月4日。黒田バズーカ第1弾とアベノミクス。

アベノミクスという安倍政権の経済政策を目に見える形ではっきりと示したのが黒田バズーカ第1弾、量的・質的金融緩和(異次元金融緩和)の導入だったと言える。日銀のサプライズ緩和により当時1万2,000円台だった日経平均株価は同年で1万6,000円付近まで上昇を見せた。リーマンショック後長く続いた円高、株安、デフレというトレンドを明確に転換させて金融政策と言っても過言ではないだろう。

黒田バズーカ第1弾の影響により株価上昇は同年12月頃まで、およそ9ヶ月間、金融緩和の影響が続いたと言える。

追撃は2014年10月31日。黒田バズーカ第2弾でドル円120円台へ。

黒田バズーカ第1弾、異次元の金融緩和政策により2013年は日経平均株価が大幅上昇となった。しかし、2014年は年明けから軟調な相場が続き、アベノミクスの終焉や日銀金融緩和の失敗が話題として出始める。そこで日銀は黒田バズーカ第2弾として量的・質的金融緩和の拡大を発表する。この追加緩和で長期国債買い入れを年間80兆円、ETF買い入れを年間3兆円、J-REITの買い入れを年間900億円行うとして市場にインパクトを与えた。同時期に安倍政権がGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の国内株式運用比率を12%から25%に引き上げたことで「官製相場」という言葉が活発に使われるようになった。また、為替でドル円が120円台へ円安となったことで訪日観光客が大幅に増加しインバウンド関連銘柄の物色が強まった。同時に中国が爆発的な経済成長を遂げ、中国人観光客による爆買いも株式市場に好影響を与えた。

黒田バズーカ第2弾の影響により日経平均株価は2000年台のITバブル期以来の2万円台を付けた。株価上昇は2015年夏までおよそ9ヶ月間続いたが、上海市場の悪化(上海ショック)と原油価格の下落が上昇の足を止めるきっかけとなった。

最終手段か?2016年1月29日。黒田バズーカ第3弾マイナス金利政策

未だ下げ止まらない原油価格。これが2%の物価上昇の足かせになっていると言われ、何かしらの追加緩和を行わない限りは達成不可能となっていた。ここで日銀は最終手段とも言えるマイナス金利の導入に打って出ることとなる。既に欧州の一部地域やEU圏で導入されているマイナス金利政策を日本でも実施することを決定。これで市場に大量の資金が供給され、円の価値が下がり、物価の上昇に繋がると見られる。未知の領域である為、予想通りの動きとなるかはわからないが、金融政策発表当日は日経平均株価476円高と市場の好感を得ることには成功している。

黒田バズーカ第1弾、第2弾共に半年以上の効果継続が見られ、今回も長期目線での株価上昇が期待されている。勿論、こういった金融政策は徐々に効果が薄れてくるのが一般的であり、今回は今までと異なりあっさりと効果切れになってしまう可能性も否定できない。黒田バズーカ第2弾を行った際に同時期で行われたGPIF改革、今回もプラスαの材料を市場は期待しているはずだ。

マイナス金利政策導入による市場への供給資金量は?

資金の波

マイナス金利政策は前述した通り、民間銀行が日銀に預けた一部の資金が対象となる。日銀の民間銀行による当座預金はおよそ250兆円と言われているがこの全てがマイナス金利の対象となるわけではない。今後預け入れる分に関してが対象であり、恐らくは10兆円~30兆円ほどになるのではとの情報となっている。また、いくらマイナス金利になろうとも民間銀行が日銀に預け入れる額がゼロになるということは考え辛く、この10兆円~30兆円のうち、市場へ流れる資金は更に少なくなるのではと見積もられる。黒田バズーカ第2弾の追加緩和策では国債買い80兆円、ETF買い3兆円、J-REIT買い900億円と明確な市場への供給資金量が示されたが、今回のマイナス金利導入に関して、現時点では民間銀行任せであり、尚且つ供給量も予想以上に少ないものとなる可能性がある。

海外でのマイナス金利導入事例

ユーロ

マイナス金利導入は日本が初ではなく、欧州の一部地域の中央銀行とECBで既に導入済みとなっている。欧州の一部地域とはデンマーク、スイス、スウェーデンであり、ECBも含め理由はデフレ脱却と自国通貨高抑止、そして日銀と同じく民間銀行の融資を積極的に行わせようという目論みがある。

デンマークはマイナス金利の導入によりクローネ高を抑制でき、一定の結果を出すことができているが、ユーロ圏ではギリシャなどの経済危機が続いており、明確な成果が得られる政策ではないとの批判も出始めている。

マイナス金利政策で株式市場は好転するのか?市場は未知の領域へ。

未知の領域へ

当然ながら初の試みとなるマイナス金利政策。日銀黒田総裁による必勝の一撃となるのか、それとも苦肉の策、悪あがきとなってしまうのか。現時点では未知の領域に足を踏み入れたということしか言えず、すぐに判断を下すことはできない。明確に言えることは民間銀行はこれまで通り日銀の当座預金による安定的な0.1%という利益を得る手段を失うことにより、貸付を増やすなどの代替策を求められ、苦しい経営を迫られることとなる。一方で不動産、証券、その他金融には金利低下による恩恵が期待され、株価上昇に繋がるのではないかと期待される。

黒田バズーカ第3弾、マイナス金利政策導入により再び日経平均株価2万円台回復となる日も近いかもしれない。

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