12日の原油先物の日中価格の推移をみる限り、市場は極めて冷静

4月12日のNYダウは前日比475.84ドル(1.24%)安の37983.24ドルでした。ナスダック総合指数は同267.10ポイント(1.62%)安の16175.09ポイントでした。この日は、イスラエルを標的にしたイランの攻撃が迫っていると伝わったことで、リスクオフムード一色でした。

 

12日のWTI期近の5月物は前日比0.43ドル(0.51%)高の85.45ドルでした。高値は87.67ドルでした。「イランの攻撃が迫っている」との報道があった割には、上値は重く、伸び悩み、案外な終わり方でした。イランのアブドラヒアン外相が、4月7日にオマーンを訪問した際に、「イスラエルへの報復について、事態の急激なエスカレートを避け、性急な行動を取らない考えであるというメッセージを、仲介国を通じて米国に伝えた」との報道もあり、イランがイスラエル領内へ弾道ミサイルを撃ち込むような、中東全域に戦火が拡大しかねない作戦を実行する可能性は低いと、市場は織り込んでいるのでしょう。

 

ただし、イランの支援を受けるイスラム教シーア派組織ヒズボラなどがイスラエルに対してロケット弾などの攻撃をする程度のことも覚悟・想定しているとみられます。なぜならば、強力な報復を訴える声がイラン国内で強まっているからです。全く何もしないということになると、ハメネイ師やライシ大統領ら体制指導部への不満に直結します。このため、国民へのガス抜き程度の報復はやっておくのは仕方ないと割り切っているように感じます。

 

イランとイスラエルの直接対決がないなら、ホルムズ海峡が封鎖される可能性も低そうです。ちなみに、イランは原油の生産、輸出を増やしています。23年の輸出量は日量約129万バレルと22年の1.5倍に増え、5年ぶりの高水準となっています。23年から24年にかけても16万バレル増える見通しです。輸出先は、米国の経済制裁を回避できる中国が約9割を占めているとみられています。一方、インフレに苦しむ米バイデン政権は、制裁逃れの原油輸出の取り締まりの手を緩め、イラン産原油の輸出の増加を黙認していると伝わっています。イランは安定した原油収入を獲得し続けたいし、米バイデン政権も11月の米大統領選挙に向けて、「原油・ガソリン価格高騰→米国内でのインフレ再燃」は避けたいと思っているはずです。

 

もちろん、事態は流動的なため、決めつけた投資はできません。しかしながら、12日の原油先物の日中価格の推移をみる限り、市場は極めて冷静でパニック状態には程遠いと言えるでしょう。

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