今週の相場見通し/結果判明までは「リスクオフ」、新興銘柄はマザーズ指数が5日線を超えてくるまでは「アンタッチャブル」

今週の東京株式市場は読み難いですね。最大の関心事であるEU離脱の是非を問う国民投票は英国時間6月23日(木)に行われます。日本時間では、23日(木)15時・投票開始(英国時間7時)、24日(金)朝6時・投票終了(英国時間22時)、24日(金)お昼頃に大勢が判明(英国時間早朝)するとみられています。

 

EUへの残留を呼びかけてきた議員が殺害された事件を受け、一部世論調査では、残留が45%、離脱が42%と残留が3ポイント上回りました。しかし、大接戦のまま終盤に入ったことは間違いなく、結果は「蓋を開けてみないとわからない」状況です。

 

このため、結果が判明するまでは、世界的に「リスクオフ」のムードが強い状況が続くのは不可避ですね。

 

ところで、6月17日時点の東証1部の騰落レシオ(25日)は88.01%、同(10日)は57.54%、同(5日)は39.56%です。短期的に売られ過ぎです。また、空売り比率も41.1%と高水準です。このため、今週は、どこかのタイミングで底打ちする可能性が高いとみています。それは、国民投票前後だとみています。前なのか、後なのか・・・。正直、判断がつきません。

 

なお、国民投票の結果判明後は、「残留」ならそれが好感され「いきなり急騰」。「離脱」なら、「まずは急落後、その後、急激な上昇」とみています。イベントリスク消滅効果に加え、万が一、「離脱」なら、日米、英国・欧州の政策当局が協調して対策を講じ、それが買い戻しのきっかけになるでしょう。

 

日経平均の下値に関しては、現状の15500円付近はバリュエーション的に十分底値圏と思っています。しかし、ショック安が発生すれば、PBR1倍の14579.12円(6月17日現在)までの下落は覚悟です。このPBR1倍水準は今週の最大押し目メドです。一方、上値メドは、まずは5日移動平均線(17日現在15766.31円)です。これを下回っているうちは日経平均は「調整」継続です。ですが、これを上回れば、買い戻しが加速し、次は25日移動平均線(同16532.64円)を目指すとみています。よって、今週最大の戻りメドは25日移動平均線ですね。

 

一方、深刻なのは、東証マザーズに代表される新興市場ですね。マザーズ指数は75日移動平均線(17日現在1058.36ポイント)、25日移動平均線(同1097.39ポイント)、5日移動平均線(同1011.61ポイント)全てを下回り、且つ、日足ベースの一目均衡表で「3役逆転」状態です。マザーズ指数は先週1週間で終値ベースで215.22ポイント(18.47%)下落しました。まさに、崩落しています。この崩落過程で相当数の追証が発生しているはずです。信用需給は最悪です。このため、買い残の多い銘柄の下落リスクが日を追うごとに高まる公算です。よって、買い残の多い銘柄への、値ごろ感からの安易な押し目買いは控えるべきです。

 

マザーズ指数に関しては、今週の注目ポイントは52週移動平均線(同914.04ポイント)で下げ止まれるか否かです。ここで下げ止まらないと、あまり考えたくありませんが、60ヶ月移動平均線(717.90ポイント)までの下落も覚悟しておく必要があります。ちなみに、60ヶ月移動平均は昨年8月のチャイナショック時、今年の2月のオイルショック時のサポートになりました。同線を割り込むと、次は、16年2月12日の664.92ポイントですね。まあとにかく、新興銘柄に関しては、下落リスクが高く、且つ、覚悟しなくてはならない予想下落幅が大きいので、少なくとも、マザーズ指数が5日移動平均線(同1011.61ポイント)を超えてくるまでは、「アンタッチャブル」です。

 

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