遠隔医療関連銘柄
遠隔医療とは
遠隔医療とは医師と患者が離れた状況で診療を行う行為である。インターネットの発達によりデータや映像の通信が容易となり、遠隔医療を行える環境が整ってきたことで大きく注目を集めている。
遠隔医療は離島や僻地、危険地域などで迅速に診察、診療ができ、更には移動時間を無くすことで医師不足解消にも繋がると期待されている。勿論、細かな診察ができないことや専門的な処置も行えないという問題はあるがインターネットやロボット技術の更なる進歩が遠隔医療の普及にも繋がると見られている。
2016年11月6日以下の項目を追記
目次
遠隔医療関連銘柄一覧
コード | 銘柄名 | 企業情報・業務内容 |
4308 | Jストリーム | 親会社はトランスコスモス。保有する配信インフラ、ネットワーク、ソフトウェア資産を顧客に提供し、利用料を得る配信事業と、保有する配信インフラ、ネットワーク、ソフトウェア資産を顧客に提供し、利用料を得る制作・システム開発事業などを展開。医療領域におけるライブ配信案件の受注策の積極展開や、新規顧客向けの「J-Stream Equipmedia」拡販、スマートフォン向けのサービス等の商品力向上・販売を強化している。 |
2667 | イメージワン | 医療用画像事業、衛星画像事業を手掛ける。医療現場にCT、MRI、PETなどの医療画像診断装置や電子カルテなどの装置から得られる画像データを、サーバ上で一元的に管理し、診察室や遠く離れた病院に設置されたパソコンの画面からも閲覧できる「医用画像ファイリングシステム(PACS)」を構築。 |
3681 | ブイキューブ | Web会議・テレビ会議(TV会議)のクラウド市場でシェアNo.1。同社の「V-CUBE ミーティング」は、例えば、遠隔医療支援システムにおけるビジュアルコミュニケーションツールとして採用されている。また、電子カルテ機能統合型Web会議システム「ドクターコム」には、会議システムのコアエンジンとしてV-CUBEミーティングが採用されている。 |
3694 | オプティム | 医療情報のプラットフォームを提供するMRTと、IT医療・ヘルスケア分野にて業務提携を行い、遠隔医療健康相談「ポケットドクター」を共同開発 する。オプティムの持つ画面共有をベースにした遠隔支援技術とMRTが培ってきた医療情報および医師、医療機関のネットワークを組み合わせる。 |
6034 | MRT | 日本最大級のシェアを誇る医師・看護師を中心とした人材紹介会社。オプティム(3694)と、IT医療・ヘルスケア分野にて業務提携を行い、遠隔医療健康相談「ポケットドクター」を共同開発する。オプティムの持つ画面共有をベースにした遠隔支援技術とMRTが培ってきた医療情報および医師、医療機関のネットワークを組み合わせる。また、光通信(9435)、アイフラッグ と資本提携及び合弁会社設立。 |
3762 | テクマトリックス | 北京ヘルスバンク・テクノロジー有限公司と、中国での遠隔医療事業に関する合弁契約を締結。北京ヘルスバンク・テクノロジー有限公司は、医療事業に特化したベンチャー企業で、富裕層向け医療ツーリズム事業を既に立ち上げ、また、中国国内の有数の医療機関とも提携関係にあるという。 |
9759 | NSD | 米国現地法人のNSDIを通じて、米国企業よりテレヘルス(遠隔医療)事業を譲り受ける。同社は、NSDIを通じて、米国のテレヘルス事業に参入し、IT技術を活かした遠隔医療サービスを提供することを目指している。 |
6786 | RVH | 特に地方の医療機関において周辺医療機関と患者情報や画像データを共有する動き(地域連携システム)や遠隔医療システムを整備する動きを背景に、ノートPCやタブレット端末にFVT-airを利用したいという医療機関からの引き合いが増加している。FVT-airはノートPCやタブレット端末上で医用画像を見るための画質を実現できる唯一のソリューションだという。 |
2413 | エムスリー | ブイキューブ(3681)と共同でスマートフォンやタブレット端末を活用したオンラインでの「処方薬の対面販売」システムを開発。遠隔医療と組み合わせることで通院だけでなく薬局通いの負担軽減を見込む。 |
7744 | ノーリツ鋼機 | 同社の孫会社にあたる「株式会社ドクターネット」は遠隔画像診断のリーディングカンパニーとして遠隔医療への取り組みに力を入れている。ドクターネットではクラウド型画像ストレージサービス「FOCUS Drive」を活用し、スムーズで高画質な画像の提供を可能としている。 |
遠隔医療関連の本命(3694)オプティム
遠隔医療健康相談「ポケットドクター」を(6034)MRTと共同開発。同社の得意分野となるスマホ、タブレットを活用した画面共有ベースの遠隔支援技術はサービスの核と言っても過言ではない。2015年にマザーズ市場から東証1部へと市場変更を行った点も評価の一つ。医療という人の生命に関わるサービスは提供する企業の信用も重要なポイントと言える。
ウエアラブル端末が遠隔医療を助ける
遠隔医療と言えばテレビ電話や本格的な医療機器が必要というイメージがあったが、今後はウエアラブル端末を使った診療が一般的となってくるはずだ。スマートフォン、スマートウォッチの普及が急速に進み、モバイル機器を使ったデータの蓄積と送信が容易となってきた。これを遠隔医療に用いた健康相談サービスも普及してくると考えられる。以下はウエアラブル端末を利用した医療サービス。
アップルウォッチのヘルスケア
アップルウォッチを付けておくことで運動時間、歩行距離や歩数、消費カロリーを知ることができ、それを蓄積しデータ化することができる。更に心拍数を計り、血糖値もアプリがあれば測定可能。これに血圧データを入力すればアップルウォッチ一つで日々の健康管理全てを担うこととなる。まさにウエアラブル端末が遠隔医療をサポートすることを証明する最たるアイテムと言える。
遠隔医療健康相談「ポケットドクター」
情報源: 遠隔医療健康相談「ポケットドクター」を共同開発 | OPTiM
オプティム(3694)とMRT(6034)が医療・ヘルスケア分野で業務提携し、「ポケットドクター」を共同開発している。このポケットドクターは遠隔医療の為に作られたサービスであり、スマートデバイスのカメラを利用し短時間で気軽に医師に相談することができる。このサービスは軽度の症状で病院に行くか迷った時や忙しくて病院に行けない場合などを想定しているが、診察時間の短縮にも繋がり医師不足の解消にも繋がると期待されている。
リコーはカメラ技術を利用し遠隔医療分野へ進出
情報源: 特長 / テレビ会議・Web会議システム | リコー
リコー(7752)はクラウドベースのテレビ会議システムを応用し、在宅ケアや被災地、事故現場などの情報を専門医へと送るウエアラブル端末を開発。これを「2015年 日本遠隔医療学会学術大会」に参考出展している。鮮明な映像をクラウド技術を用いて円滑に医師へと届けることは遠隔診療の基本であり、もっとも重要な部分となる。
在宅診療、僻地にクオリティの高い医療を届ける
動くことが困難となれば在宅診療を選択するしかない。特に高齢者は寝たきりであったり歩行が困難であったりと通院できないことも多い。そういった場合にはテレビモニタを用いた診療が重宝される。また、病院のない僻地などに高クオリティの医療を届けるという面でもITを用いた遠隔医療の拡充が重要となってくる。
電子カルテ機能統合型Web会議システム「ドクターコム」
情報源: 社団法人 香川県医師会 様 | ブイキューブ|Web会議・テレビ会議(TV会議)のクラウドサービス
ブイキューブ(3681)のWeb会議コミュニケーションサービスを遠隔医療の分野へ応用したのが「ドクターコム」となる。香川県医師会の要望によりサービス提供開始、寝たきりの高齢者や通院が困難な難病患者の在宅診療ではこのドクターコムが重宝されている。今後、遠隔医療の規制緩和が進めば全国の病院で導入が期待されるサービスと言える。
遠隔画像診断支援サービス「ホスピネット」
情報源: (医療関係者の方)医療ITサービス:遠隔画像診断支援サービス:「ホスピネット」のご案内 | SECOM セコム医療システム株式会社
セコム(9735)の医療部門、セコム医療システム株式会社では遠隔画像診断支援サービス「ホスピネット」で医療のIT化を進めている。ホスピネットにより医療の地域格差を是正し、全ての患者に専門的な医療、診断を届けるのが同社の目標。ITの発達でホスピネットのクオリティも向上し、更に便利なサービスへと進化し続けている。
遠隔画像診断支援サービス2「ネットホスピタル」
情報源: 株式会社ネットホスピタル
こちらもホスピネット同様の遠隔画像診断支援サービスとなる。医療の質の確保を大前提とし、どの地域に住む患者にも高品質の医療サービスを届けることを目的とする。株式会社ネットホスピタルは未上場ではあるが遠隔医療が広く社会に浸透していけば注目を集める企業となるはず。
遠隔画像診断支援サービス3「ドクターネット」
情報源: Virtual-RAD|サービス|株式会社ドクターネット
ノーリツ鋼機(7744)のグループ会社であるNKリレーションズ株式会社は遠隔医療支援事業を行う株式会社ドクターネットの株式をM&Aで取得している。ノーリツ鋼機は元々医療やシニアサービスに力を入れる精密機器会社だが、これにより遠隔医療にも積極的に参入してくると考えられる。ドクターネットもサービスの柱はホスピネットやネットホスピタル同様に遠隔画像診断支援サービス「Tele-RAD」となっている。
遠隔医療のこれまでとこれから
これまで医師の診察は「対面重視」となっていたことで遠隔医療が普及してこなかった。この点については厚生労働省も「診療は、医師と患者が直接対面して行われることが基本」という見解を示してきたことも理由の一つと言える。
しかし、2015年の閣議決定「骨太の方針2015」において「遠隔医療の推進」が盛り込まれたことで行政側も見解を変えつつある。遠隔医療は「規制」から「推進」に大きく方向転換されてきており、2016年は更なる規制緩和が予想される。未だ医療報酬面などで遠隔医療の法整備が進んでいないがこの部分が緩和されれば一気に広がりを見せるだろう。
高齢化社会が進む日本で医療改革は必至の事案となる。遠隔医療は改革の柱となっていくだろう。
追記:遠隔医療の診療報酬引き上げで普及加速を見込む
政府は遠隔医療の診療報酬を引き上げ、対面診療と同様の体系を導入する方針を示した。早ければ2018年度の報酬改定での変更が見込まれる。
遠隔医療の技術は進んでいるが、普及が進まないのは「対面診療と比べて診療報酬の加算が少ない」という理由が挙げられている。遠隔医療の診療報酬引き上げはこれを解決する為の手ということになるだろう。
ロボットを活用した介護、人工知能(AI)を活用した診療など、導入が期待されているものの、法規制が技術進歩に追いついていないものが多々あるのが現状だ。今回の法改正がこういった問題点を解決していく第一歩になるのではと注目されている。
普及拡大が期待され、遠隔医療関連銘柄にとっても好材料であることは間違いないだろう。
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