オートファジー関連銘柄

大隅良典教授の「オートファジー」がノーベル賞受賞!

オートファジー

2016年10月3日発表となったノーベル生理学・医学賞は、東京工業大学の大隅良典栄誉教授が解明した「オートファジー」で見事受賞となった。

オートファジーは毎年、必ずといっていいほど同分野でのノーベル賞受賞が期待される重要な研究テーマとなっていた。2016年、念願の受賞。

ノーベル賞関連銘柄=オートファジー関連銘柄として今後は注目を集めることとなりそうだ。話題となるであろうオートファジー関連銘柄をチェックしておこう。

オートファジー関連銘柄一覧

コード 銘柄名 企業情報・業務内容
4974 タカラバイオ 培養細胞のオートファジー(自食作用)をリアルタイムにモニタリングすることが可能なセンサーベクター(pAutophagSENSEベクター)を販売。pAutophagSENSEベクターは、緑色蛍光タンパク質AcGFP1とマウスLC3の融合タンパク質をコードする哺乳類細胞発現ベクターであり、LC3はオートファジーの過程で形成されるオートファゴソーム(オートファジー小胞)のマーカーとして知られている。その他、オートファジー関連タンパク質抗体などの製品も扱う。
3386 コスモ・バイオ 生きたまま細胞のオートファジー動態をモニタリングできる蛍光試薬「Cyto-ID」やオートファジーのバイオマーカーである足場タンパク質「NBR1&p62 ELISAキット」、生細胞中のリン脂質症、オートファゴソーム、細胞毒性を測定する「Lyso-ID」などを扱う。その他、オートファジー関連試薬となる抗体、遺伝子発現など多岐に渡る研究、開発を行っている。
4557 医学生物学研究所 臨床検査薬・研究用試薬製造メーカー。長年に渡り東京大学大学院水島教授の協力のもと、オートファジーに関する研究を行っており、オートファ ジーのモニタリングに有用な抗体を多数取り扱っている。
2342 トランスジェニック オートファジーモニターの為、全身のオートファゴソームが蛍光標識されるトランスジェニックマウス(GFP-LC3マウス)の作製受託サービスを行っている。このマウスを用いることで、オートファジーは栄養飢餓に応じて神経系を除くほぼすべての臓器で顕著に活性化されることが確認された。
4588 オンコリスバイオファーマ 2013年の発表の岡山医学会雑誌にて、岡山大学病院の田澤大准教授らと「腫瘍融解アデノウイルスによるE2F1-マイクロRNA-7-EGFR経路を介したオートファジー細胞死の誘導分子機構」と題したレポートを発表。オートファジーに関する詳しい研究を行っている。同社で直接、オートファジーに関する製品を扱っているという情報は見当たらないが、オートファジー関連銘柄の思惑として物色される可能性も。

オートファジー関連銘柄の本命(4974)タカラバイオ

オートファジーだけでなく、多岐に渡るバイオ研究を行っており、今回のノーベル賞関連銘柄でも本命候補と言われてきた。タカラバイオは、もう一つの注目研究であり、ノーベル賞受賞の本命と言われた「PD-1」とも関わりの深い銘柄と言える。今後はオートファジー関連銘柄、PD-1関連銘柄として話題の中心となってくるだろう。

オートファジー(自食作用)とは

オートファジーは自食作用とも呼ばれており、飢餓などによって誘導される細胞質成分をリソソームに輸送し分解する現象である。オートファジーが誘導されると細胞質に出現した隔離膜が伸張し、細胞質のタンパク質やミトコンドリアを含みながら閉鎖することでオートファゴソームが形成され、オートファゴソームの内膜と取り囲まれた細胞質成分が分解される。オートファジーが生じると、主要な産物として、細胞内タンパク質由来のアミノ酸が供給される。

オートファジーには、マクロオートファジー、シャペロン介在性オートファジー、マイクロオートファジーの3タイプがあることが解明されている。

オートファジーはどのような病気に役立つのか

今回ノーベル賞を受賞した大隅良典栄誉教授は、オートファジーが分子レベルで行われていることを解明。オートファジーを起こす遺伝子も突き止めた。

このオートファジーが関係する病気として、がん、パーキンソン病、アルツハイマー病、老化などが挙げられ、この分野の研究が進むことで治療薬の開発にも繋がると期待されている。

オートファジー関連銘柄はiPS細胞関連銘柄のようなバブルとなるのか

この記事はノーベル賞の受賞が発表された10月3日19時ごろの記載となっている。翌日の相場がどういった反応を見せるかはまだわからないが、ノーベル賞関連銘柄、オートファジー関連銘柄として注目を集めることは間違いないだろう。

ただ、山中伸弥教授がiPS細胞でノーベル賞を受賞した時ほど、市場にインパクトを与えるかどうかは微妙なところかもしれない。アベノミクスが始まったばかりの当時と比べても相場に勢いはなく、バブルが起こるほど一つのテーマが長続きするような状況ではない。

ノーベル生理学・医学賞の受賞は間違いなくすばらしいことではあるが、相場状況を見て判断する必要がある。オートファジー関連銘柄と言えど、過信は禁物だろう。

この他のノーベル賞関連銘柄もチェック

ノーベル賞の受賞者発表スケジュールは以下の通りとなっている。

  • 10月3日:ノーベル生理学・医学賞⇒大隅良典教授「オートファジー」
  • 10月4日:ノーベル物理学賞
  • 10月5日:ノーベル化学賞
  • 10月7日:ノーベル平和賞
  • 10月10日:ノーベル経済学賞
  • 10月13日:ノーベル文学賞

この後も物理学賞、化学賞、そして文学賞など、市場に大きな影響を与えるノーベル賞の受賞が控えている。これらの関連銘柄も改めてチェックしておくべきだろう。

>>ノーベル賞関連銘柄(2016年版)の特集はこちら

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