スマートメーター関連銘柄

スマートメーターとは

スマートメーター

従来のアナログ式誘導型電力量計とは異なり、電力をデジタル計測し、備えられた通信機能で消費電力の遠隔測定を行う計器を指す。従来のアナログ式では毎月測定員が消費量を目視で計り、請求を行っていたが、スマートメーターを導入することで人員削減、作業効率化を目指す。また、電力自由化で大手電力会社から新興電力販売企業へ乗り換える際にもスマートメーターが必要となる。

なぜ、今再びスマートメーター関連銘柄なのか?

2016年現在、スマートメーター関連銘柄は目新しいものではない。2014年に施行された「エネルギーの使用の合理化等に関する法律の改正」で既にスマートメーター導入は決定し現在も設置が進んでいる。既に一度大相場となったスマートメーター関連銘柄ではあるが、ここへきて話題が再燃する可能性がある。

電力小売自由化が2016年4月より開始となるが、未だスマートメーターの設置件数は,1000万件程度と見られる。電力計を設置している家庭や企業はおよそ8,000万件ほどと言われており、設置率を見れば未だ15%に満たないという状況。電力小売自由化が話題となる中でスマートメーターの設置が追いついていない。行政主導で導入を急ぐスマートメーターではあるが、今後更に設置速度を加速させていく可能性も十分に考えられる。2016年、再びスマートメーター関連が注目を集めるかもしれない。

スマートメーター関連銘柄一覧

コード 銘柄名 企業情報・業務内容
6617 東光高岳 東電系電力機器メーカーということもありスマートメーターだけでなく電力プラント事業や電力機器事業、エネルギーソリューション事業など電気に関わる事業を幅広く行っている。電力自由化関連としても注目の銘柄。スマートメーターに関しては東光電気(現:東光高岳)と東芝の計器事業を統合して作られた東光東芝メーターシステムズが開発した「SmaMeシリーズ」をリリース中。
6644 大崎電気工業 電力量計機器で国内首位。東電向けスマートメーターの受注が拡大している。計測制御機器の老舗ということもあり電力会社からの信頼も厚く、スマートメーターのシェアも大半を握るのではないかと見られる。
6875 メガチップス 同社が開発した通信用LSI「ブルーチップ」をスマートメーターや太陽光システム、蓄電池に搭載することでスマホ、タブレットでの「電力の見える化」が可能となる。IoT技術を活かした電力自由化関連として注目。
6822 大井電気 三菱電機(6503)といった大手にスマ-トメータ関連機器を提供。データ転送する為の通信端末といったまさにスマートメーターの肝となる部分を担う。IoT関連銘柄としても注目。
2471 エスプール 物流のアウトソーシングとコールセンターへの人材派遣がメイン事業となるが2015年よりスマートメーターの設置事業に本格参入。今後数年に渡ってスマートメーター設置の需要が続くことを見越しての参入。東電管内だけ見ても需要は多い。
6964 サンコー 自動車やデジタル家電の部品メーカー。スマートメーターへの部品提供も開始。生産需要拡大に伴い業績も改善傾向。中堅企業ということもありスマートメーター事業の拡大はそのまま業績に反映されるだろう。

電力自由化にはスマートメーターの設置が必須

電力自由化

2016年4月より電力小売自由化開始となる。既に電力小売自由化関連として新興の電力会社、電力小売に参入する関連銘柄を紹介してきたが、顧客が新興電力会社へ乗り換える際にはスマートメーターの設置が必須条件となる。大手電力会社が東京ガス、大阪ガスといった会社であれば検針員を送ることができるが、新興電力会社はそういった人員がおらずスマートメーター頼りになる為だ。即ち、電力小売自由化関連銘柄とスマートメーター関連銘柄は近い存在であり、セットで考えるべきだろう。

電力自由化によるHEMS(ヘムス)とスマートメーター

HEMS

情報源: 電力メーター情報発信サービス(Bルートサービス)について|東京電力

HEMS(ヘムス)とはHome Energy Management System(ホーム エネルギー マネジメント システム)の略であり、簡単に言えば「電気の見える化」を指す。東日本大震災での原発事故、それに伴う節電、更には電力小売自由化の流れ、多くの国民が発電と電力の消費に関心を持つようになった。節電への更なる意識向上の為、政府はHEMSで電気の見える化を積極に進めようとしている。家庭ごとにHEMSの機器を設置することで「どこで」「どのように」「どれだけ」の電気が消費されているかを数値として見ることができるようになる。無駄な電気消費を抑え、効率的な消費に繋がるだろう。HEMSには当然ではあるがスマートメーターの設置が必須となる。

電力小売自由化関連銘柄、スマートメーター関連銘柄、そしてHEMS関連銘柄、いずれも関連性は非常に高いと言える。

スマートメーター設置への課題、問題点

電力会社の人件費削減、電力小売自由化の必須アイテム、電力消費の見える化による節電効果、スマートメーター設置のメリットは間違いなく大きい。しかし、今後更にスマートメーター設置を加速させていくには課題、問題点がある。

スマートメーター設置手順の周知が進んでいない

スマートメーターという言葉自体は誰もが聞いたことがあるかもしれないが、その設置手順に関して詳しい人は少ないのではないだろうか。現状ではアナログ式検針機が古くなった地域から順にスマートメーターへの切り替えとなっている。電力会社のホームページでは切り替えを希望しても順番を待つしかないといった趣旨が示されているが、情報サイトによっては希望すればすぐに取替えに来てくれると記載しているところもある。行政、そして電力会社の正式な見解が解かり辛くなっている。

大手電力会社がスマートメーター設置を請け負う点

関東であれば東京電力、関西であれば関西電力、東北であれば東北電力がスマートメーターの設置を主導している。もしも電力小売自由化がなければほとんどの家庭が大手電力会社からしか電気を買うことができず、電力会社が率先してスマートメーター設置事業を行うのも納得できる。しかし、電力小売自由化で新興電力会社も続々と参入してくるとなれば、電力会社だけがスマートメーターの設置を行うというのは何かしらの歪が生じる可能性がある。

例えば東電がスマートメーターを設置したにも関わらず、すぐに他社へ乗り換えられてしまった場合の費用負担はどこが行うのか。電力会社が負担するとしてもそれは巡り巡って顧客負担という形になるならば、大手電力会社だけが行うというのも不公平と捉えられるかもしれない。

電気料金が大きく変動するかもしれない

アナログ式の検針機からスマートメーターへ切り替えた場合、電気料金が大きく変動する可能性がある。アナログ式の場合、特に10年近く使われていたものなどは検針が不安定になっていたものもあるだろう。スマートメーターに変更し、より正確な電力消費測定となった場合に電気料金が上ブレ、下ブレすることもあるかもしれない。実際、情報サイトなどを見るとスマートメーターへ切り替えたことでこれまでと同じように電気を使っていたにも関わらず電気料金が2倍以上になったとの報告も見られる。ただ、それはこれまでのアナログ式の検針機が劣化していたということも考えられるのでスマートメーターに問題があるとも言い切れない。

東北電力管内でのスマートメーター電気料金誤徴収

これは完全にスマートメーターの問題となる。東北電力管内に設置されたスマートメーターに不具合があり、1,500世帯から誤った電気料金を徴収してしまったという問題が既に発生している。これまでアナログ式しか経験のない顧客にとっては正規の電気料金というのがおよそどれくらいかわからず、不当に高い金額を請求されても気付かない恐れがある。

スマートメーター関連銘柄の動向

冒頭でも記載した通り、スマートメーター関連銘柄は既に一度相場となっている。2016年の電力自由化に伴い、再び物色が強まることもありえるが、桁違いの急騰を見せるようなテーマになるとは考え辛い。あくまでもスマートメーター関連銘柄は電力自由化関連銘柄とセットで押さえておきたいテーマと捉えておいたほうがいいだろう。

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