11日の海外動向と本日の相場見通し 日経平均は25日移動平均線を上回れるか否かに注目

12日の大阪ナイトセッションの日経平均先物6月物は前日比60円高の29100円、高値は11日18時22分の29200円、安値は12日05時06分の29070円でした。11日のNYダウは5日続伸、前日比188.57ドル高の32485.59ドルと連日で過去最高値を更新しました。S&P500種株価指数も同40.53ポイント高の3939.34ポイントと、過去最高値を更新しました。ナスダック総合株価指数は反発、同329.841ポイント高の13398.673ポイントでした。バイデン米大統領が12日の予定を1日繰り上げて経済対策法案に署名し、1.9兆ドル規模の経済対策が成立しました。これが好感されました。NY原油先物相場は続伸、WTI期近の4月物は前日比1.58ドル高の1バレル66.02ドルでした。NY金先物相場は3日続伸、4月物は前日比0.8ドル高の1トロイオンス1722.6ドルでした。NY円相場は反落、前日比10銭円安・ドル高の1ドル=108円45~55銭でした。

 

11日のVIX指数は前日比0.65(2.88%)安の21.91でした。また、VIX3Mは同0.59(2.21%)安の26.09で、VIX/VIX3Mレシオは同0.01(0.68%)安の0.84と、1を下回っているため、「リスクパリティ型ファンド」からの暴力的な売りを警戒する必要性が大幅に低下しています。Skew指数(スキュー指数、別名「ブラックスワン指数」)は、前日比1.04(0.75%)高の139.61でした。

 

11日の日本では、プット・コールレシオは0.40と前日の0.50から低下しました。東証1部の騰落レシオ(25日移動平均)は117.35と前日の118.85から低下しました。新高値銘柄数は120、新安値銘柄数は2でした。

 

なお、日経平均に関しては、日足ベースの一目均衡表では基準線は11日現在「上向き」を継続しています。転換線は「下向き」から「水平」に転換しました。転換線と基準線は「逆転」を継続です。遅行スパンは26日前の日足よりも上に浮上したままで、「好転」継続です。引き続き雲の上で推移しています。また、先行スパンのクロスは、現在は確認できません。先行スパン2は「上向き」から「水平」に転換しました。また、11日現在のMACD(12日-26日)は63.27、シグナル(9日)は218.9、ヒストグラム(=MACD -シグナル)はマイナス155.68で、「売り」継続です。(売り転換は2月24日でした。)なお、ここ20日間のディストリビューションデー(株価指数が下落するときに取引高が前日より増大する日のことです。20日以内に5回あると暴落の兆しと言われています。)は8日です。

 

11日の米10年物国債利回りは前日比0.02%高の1.54%でした。ECBが11日、今後3カ月間の資産購入をこれまでより「かなり速いペースで実施する」と発表したことを受け、井一時1.48%まで低下する場面がありました。なお、米財務省が午後に結果を発表した30年物国債入札では、落札利回りは入札締め切り直前の市場実勢並みとなり、債券市場への影響はほぼ皆無で無事に通過しました。この米長期金利上昇一服は日米株式市場にポジティブです。このため、本日は、「シクリカルバリュー買い+グロース売り」の物色傾向が、全面高に変化する見通しです。この結果、日経平均に関しては、強い動きが期待できそうです。想定レンジは29300円±400円程度です。テクニカル的には、25日移動平均線(11日現在29449.99円)を終値で超えるか否かに注目しています。また、5日移動平均線(同28976.74円)を上回っている限り、投資家の買い意欲は強い状況が続くでしょう。最後に、本日は株価指数先物・オプション3月物のSQ算出日ですが、これを通過することで、デリバティブ系の需給もいったんすっきりすることでしょう。

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