ミラーレス関連銘柄

ミラーレス関連銘柄とは

Mirror less

ミラーレスという言葉で真っ先に思い浮かぶのはデジカメのミラーレスカメラだろう。しかし、今回のミラーレス関連銘柄はデジカメではなく、「ミラーレス車」のこと、すなわち「ミラーのない車」に関連するテーマとなる。

国土交通省は2016年6月に、サイドミラーやバックミラーを全てカメラとモニターに代替した「ミラーレス車」の公道走行を解禁する見通しだ。

2020年までに普及を目指す自動運転車、車のIT化が進む中でミラーレスへの動きも欧米を中心に進んでいる。自動車先進国の日本もミラーレスを含む自動車IT化の動きで遅れを取るわけにはいかない。

自動車部品メーカーだけでなくIT企業、中小電気メーカーにとってもミラーレス解禁は新たな市場シェア確保のチャンスと見られている。解禁前にミラーレス車関連銘柄、ミラーレス関連銘柄をチェックしておこう。

ミラーレス関連銘柄

コード 銘柄名 企業情報・業務内容
3653 モルフォ デンソー(6902)と業務を提携することで両社グループの技術力を融合し、画像認識技術をはじめとする各種画像処理技術の車載機器への応用において高度かつ新たな技術・ノウハウを創出し、Deep Learning による画像認識技術の電子ミラーへの応用など、車載機器分野において革新と新たな価値創造を提供できるとの判断のもと、共同研究開発を目的とした業務提携に合意。
6629 テクノホライズン・ホールディングス 連結子会社である株式会社グラフインは、東京ビッグサイトにて開催された『オートモーティブワールド2016』に車載カメラ用超広角レンズに対応したアクティブ・アライメント6軸調整ユニットを参考出品。グラフインが開発した「アクティブ・アライメント6 軸調整ユニット AAM-1800」はオリジナルチャートとカメラ出力信号から画像処理で、レンズとCMOSセンサ基板の光学6軸測定を行い、高精度のカメラ組立調整を行う事ができるユニット。主に超広角から魚眼レンズを搭載した後方監視・周囲監視・自動運転向け車載カメラや監視用ネットワークカメラの組立調整に有効。
7244 市光工業 自動車用電装品(ランプ類)、バックミラー、その他自動車用品・開発製品の製造を手掛ける。自動車用ランプ事業において仏ヴァレオ (Valeo) と資本提携。ヴァレオはけカメラセンサーなども手掛け、直観的なドライビングの発展に貢献する革新的な製品とシステムを世界の自動車メーカーに提供している。
7746 岡本硝子 ミネベア(6479)の子会社であり、岡本硝子の持分法適用会社であるJAPAN 3D DEVICES株式会社は、柏崎工場において、ヘッドアップディスプレイ(「HUD」)向けレンズの量産を開始した。HUD向けガラスレンズは光安定性および耐久性に優れ、要求される高い品質に応えうるもの。HUDは、高速道路などでの高速運転時にダッシュボードへの視線移動を少なくできることから、欧州の高級自動車から普及が始まり、世界各国の自動車メーカーにより幅広い自動車に採用されている。
6769 ザインエレクトロニクス 高速インターフェースLSIおよび画像処理用LSIの世界的リーダー。LCDドライバーおよびSoCの世界的リーダーであるNovatek Microelectronics Corp.(台湾証券取引所上場: 3034)に対して、ザイン独自の高速インターフェースV-by-One HS技術をライセンス供与し、車載ドライブレコーダなど広範な高解像度カメラ市場におけるパフォーマンス向上とシステムコスト改善による付加価値を広範な市場に提供。V-by-One HSは、4Kテレビなど高解像度データの高速伝送のためには必須の技術として普及。
6632 JVCケンウッド 2016年1月6日(水)より9日(土)までアメリカ・ラスベガスで開催される世界最大級のエレクトロニクス・ショー「2016 International CES」にて、同社が開発を進めているヘッドアップ・ディスプレイや車載用カメラ、電子ミラーなど革新的なデジタルコックピットシステムを、英国マクラーレン・オートモーティブ社の高級スポーツカー「McLaren 675LT」に搭載したショーカーを展示。
7467 萩原電気 萩原電気コックピットソリューション(電子ミラー用画像処理/顔認識/接近物検知/自社製車載用端末)は、サイドカメラとリアカメラの3面映像を合成したリアビューモニター、サイドカメラのリアビュー映像に顔認識技術を連動させた映像の切り出し、サイドビューの視点変換、後方からの接近物検知を組み合わせた同社オリジナルのコックピットソリューション。また、FIR-Vハイブリッドカメラを使った歩行者検知装置については、遠赤外線カメラと可視光カメラのハイブリッドカメラ(FIR-V)を使って歩行者を実時間で検知可能な実用装置を開発し、衝突被害軽減などの高度な安全装置を開発する国内メーカーに技術を提供することを目標としている。

ミラーレス車の特徴

ミラーレス車は呼び名の通り、ミラーの無い車を指す。バックミラー、サイドミラーの代わりに車の後方と側面に高精度カメラを設置し、その映像をモニターに映し出す仕組み。このモニターをバックミラーの位置に設置することで違和感なく映像をチェックできるようなっている。

これまで完全なミラーレス車は国土交通省の基準に満たないということで作られてこなかった。しかし、後方にカメラを設置し安全にバック駐車を行える車などは既に存在しており、技術的には十分に代替が可能となっている。映像技術の向上、自動車IT化の動きに沿う形で今回の規制緩和に繋がったと考えられる。

ミラーレス車のメリットデメリット

メリットデメリット

ミラーレス車はミラーをカメラに代替することで死角を無くし、安全性を高めようという狙いがある。また、カメラで映し出した映像を分析し、電子制御することが自動運転技術の向上にも繋がると見られる。

現時点ではメリット、デメリットが混在するミラーレス車の公道走行解禁ではあるが、実用化された後でも問題点を一つずつクリアしていくことは可能だ。

ミラーレス関連銘柄を探す上で、メリットに強い銘柄、デメリット解決へ向け研究を行っている銘柄などが候補となってくるかもしれない。

ミラーレス車のメリット

ミラーレス車最大のメリットはやはり死角がなくなるということだろう。ミラーではチェックしきれない部分、例えば車の後方は完全な死角となってしまうが、カメラを設置することでこの問題がクリアされる。

おそらく、夜間や悪天候時にもミラー以上に鮮明な映像を確認できるような仕様となっているはずだ。

後々はカメラで捉えた映像をデータ分析し、それに連動した自動ブレーキ機能なども実装されてくるだろう。

自動運転車にとって周囲の状況確認、映像の取り込みは必須となる為、それに向けた自動車のミラーレス化は当然の動きと言える。

ミラーレス車のデメリット

最大のデメリットはやはりコスト面だろう。クリアな映像を映し出すにはカメラもモニターも高精度でなければならない。量産されるようになり、生産コストが下がったとしても現在のミラータイプの車より高くなってしまうことは避けられない。

映像データの遅延、不達も問題となってくるかもしれない。カメラかモニターの一方が故障し、映像が全く見れなくなれば、それを「故障」と認識し注意することができる。問題となるのは映像は映っているが、それが数秒前のものであったり、データの不達で切り替わっていないということであれば大きな事故に繋がりかねない。自動運転車においてもこの問題は確実に解決する必要がある。

外部に設置したカメラが割れてしまう恐れもあるが、それはミラーでも同じことが言える。ただ、故障の際もコストはミラータイプよりも高額となることは間違いないだろう。

ミラーレス車、ミラーレス関連銘柄の今後に関して

ミラーレス車の今後

国土交通省により2016年6月解禁となるミラーレス。それに併せてミラーレス関連銘柄も話題となってくるだろう。

ただ、全車が一斉にミラーレス化するわけではない。コスト面を考えてもまずは高級車など、一部の車のみがミラーレス車として市場に導入されてくると予想される。いきなりミラーレス市場が爆発的に急成長するとは考え難い。

ミラーレス関連銘柄も注目を集め株価上昇となる銘柄も出てくるだろうが、大化けするような展開となるかは微妙。自動車IT化のメインとしてはやはり自動運転車の導入、実用化と言えるだろう。

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